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フェルラ酸 Product name

効果・効能 Positie Effect

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抗酸化作用

フェルラ酸は,フェノール性の水酸基によってフリーラジカルに水素を供与することで抗酸化作用を示すと考えられています。インドで利用されるバターの一種「ギー」の経時的な過酸化物価上昇の制御において,フェノール性の酸及びリン脂質と過酸化物価上昇抑制効果を比較したところ,その抗酸化力がレシチンと同等であったと報告されています1)。また活性酸素の消去作用も有しており,その効果は活性酸素の毒性から生体を防護する酵素として知られるスーパーオキシドジスムターゼと同等であることが報告されています2)

参考文献
1) Gupta S., et al., Milchwissenschaf , 34, 205 (1979).
2) Toda S., et al., Plant. Med. , 57, 8 (1991).

食品の退色・変色防止効果

フェルラ酸は「食品添加物リスト」に「酸化防止剤」として掲げられており,グリーンピースの色調保持,抹茶の退色防止,バナナの黒変防止効果,さらには細菌による汚染も抑えるという報告があります3)。また,最近の研究において,真鯛にフェルラ酸(0.01,0.05,0.1および0.5%:Group2-5)およびγ-オリザノール(0.05,0.1および0.5%:Group 6-8)を98日間投与した際に,真鯛の各部位(図1参照)においてコントロール(Group1)より色調が明るくなるという報告もあります4)(表1)。この結果より,フェルラ酸およびγ-オリザノールは,真鯛の主な色調成分であるアスタキサンチンやルテイン等のカロテノイドの光酸化を防止する作用があると考えられます。

図1. 真鯛の色差測定部位4)

表1. フェルラ酸およびγ-オリザノールを投与した真鯛の各部位における色差に及ぼす影響4)

参考文献
3) 月刊フードケミカル 8, 76-79 (1999).
4) Maoka T., Tanimoto F., Sano M., Tsurukawa K., Tsuno T., Tsujiwaki S., Ishimaru K., Takii K. Effects of dietary supplementation of ferulic acid and gamma-oryzanol on integument color and suppression of oxidative stress in cultured red sea bream, Pagrus major. J. Oleo Sci. 57, 133-7, (2008).

美容作用(美白,光保護)

フェルラ酸は,その構造がチロシンに類似しているため,チロシンと拮抗することでメラニン生成を抑制すると考えられています5)。また,有害な長波紫外線の吸収性が,非常に強いということも明らかにされています6)。最近では,ビタミンEフェルラ酸エステルがメラニン生成を強力に抑制するとの報告があり7),有望な色素沈着抑制剤になり得るのではないかと期待されています。ヒトの皮膚にフェルラ酸(0.5%)を塗布した際に,UV照射による障害を抑制し,光保護作用を有すると報告されております8)。これらの報告より,化粧品分野では強力な長波紫外線吸収能を生かして,美白剤やサンスクリーン剤等に利用されています。食品や医薬品原料としても,摂取や内服での作用が大いに期待できます。

参考文献
5)井端泰夫, フレグランスジャーナル, No.45, 92 (1980).
6)芋川玄幽ら, フレグランスジャーナル, No129,41(1991).
7)船坂陽子, 市橋正光ら, フレグランスジャーナル, No9, 19 (1997).
8) Murray J. C., Burch J. A., Streilein R. D., Iannacchione M. A., Hall R. P., Pinnell S. R. A topical antioxidant solution containing vitamins C and E stabilized by ferulic acid provides protection for human skin against damage caused by ultraviolet irradiation. J. Am. Acad. Dermatol. 59, 418-25, (2008).

成長促進作用

フェルラ酸はノルエピネフリンの最初の代謝産物であるノルメタフリンの構造と類似しており,脳下垂体において成長ホルモンであるソマトトロピンの合成促進作用を示します9)

参考文献
9) Gorewit R. C. Pituitary and thyroid hormone responses of heifers after ferulic acid administration. J. Dairy Sci. 66, 624-9 (1983).

大腸がんの発がん抑制作用

フェルラ酸はin vitro において大腸がん細胞の増殖を抑制し10),in vivoにおいてもラットの大腸ガンに対する発ガン抑制作用が確認さています11)

参考文献
10) Mori H., Kawabata K., Yoshimi N., Tanaka T., Murakami T., Okada T., Murai H. Chemopreventive effects of ferulic acid on oral and rice germ on large bowel carcinogenesis. Anticancer Res. 19, 3775-8 (1999).
11) Hudson E. A., Dinh P. A., Kokubun T., Simmonds M. S., Gescher A. C. Characterization of potentially chemopreventive phenols in extracts of brown rice that inhibit the growth of human breast and colon cancer cells. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev., 9, 1163-70 (2000).

血糖値降下作用

フェルラ酸は1型及び2型糖尿病マウスの血糖値を降下させることが報告されており12),そのメカニズムはインスリンの分泌促進に基づく作用であることが報告されています13)。最近の研究においても,2型糖尿病マウスに米糠由来のフェルラ酸を17日間投与した際,コントロール群と比較して有意な血糖値の低下および血しょうインスリン濃度の増加が確認されていますM14)。さらに,コントロール群と比較して肝臓中のグリコーゲン合成およびグルコキナーゼ活性の上昇,血しょう中総コレステロールおよびLDL-コレステロール濃度の低下も確認されており,2型糖尿病やその合併症に有効であると考えられます。

参考文献
12) 平成10-12年度科学技術総合研究委託費 (文部科学省) 地域先導研究「こめぬかを原料とする環境に適合した有機合成化学に関する基礎研究」 研究成果報告.
13) 野村英作ら,フェルラ酸および関連化合物のインスリン分泌促進作用,平成13年度和歌山県工業技術センター「研究報告」p17-19 (2001).
14) Jung E. H., Kim S. R., Hwang I. K., Ha T. Y. Hypoglycemic effects of a phenolic acid fraction of rice bran and ferulic acid in C57BL/KsJ-db/db mice. J. Agric. Food Chem. 55, 9800-4, (2007).

血圧降下作用

フェルラ酸(9.5 mg/kg)を単回投与したラット(SHASP)において血圧降下作用が報告されています15)。投与2時間後には,血しょう中のアンギオテンシン変換酵素(ACE)活性の低下に基づく血圧降下作用が認められています。また,血しょう中の総コレステロールおよびトリグリセリドの低下も認められており,高血圧症や脂質異常症に有効であると考えられます。

参考文献
15) Ardiansyah, Ohsaki Y., Shirakawa H., Koseki T., Komai M. Novel effects of a single administration of ferulic acid on the regulation of blood pressure and the hepatic lipid metabolic profile in stroke-prone spontaneously hypertensive. J. Agric. Food Chem. 56, 2825-30, (2008).

脳機能改善作用

フェルラ酸の脳神経保護作用が報告されています16)。ラット脳虚血再かん流モデルにおいて,ラットにフェルラ酸を100 mg/kg投与しました。その結果,フェルラ酸はミクログリアの細胞間接着分子(ICAM-1)のmRNAレベルを減少させることによって,酸化ストレス関連アポトーシスに対する脳神経保護作用を示すことが明らかになりました。また,フェルラ酸は,脳内で酸化ストレスを誘発することで炎症を引き起こすβ-アミロイドペプチドに対して,保護作用を示すことが世界中の研究者によって数多く報告されています17-20)。さらに,β-アミロイドペプチドをマウスの脳室内に投与すると学習記憶の低下が見られますが,フェルラ酸を投与することで,通常状態(β-アミロイドペプチドを投与していないマウス)まで回復すると報告されています21)。これらの報告から,フェルラ酸には学習記憶向上作用も期待できます。

参考文献
16) Cheng C. Y., Su S.Y., Tang N. Y., Ho T. Y., Chiang S. Y., Hsieh C. L. Ferulic acid provides neuroprotection against oxidative stress-related apoptosis after cerebral ischemia/reperfusion injury by inhibiting ICAM-1 mRNA expression in rats. Brain Res. 13, 136-50, (2008).
17) Mohmmad Abdul H., Butterfield D. A. Protection against amyloid beta-peptide (1-42)-induced loss of phospholipid asymmetry in synaptosomal membranes by tricyclodecan-9-xanthogenate (D609) and ferulic acid ethyl ester: implications for Alzheimer's disease. Biochim. Biophys. Acta. 1741, 140-8, (2005).
18) Cho J. Y., Kim H. S., Kim D. H., Yan J. J., Suh H. W., Song D. K. Inhibitory effects of long-term administration of ferulic acid on astrocyte activation induced by intracerebroventricular injection of beta-amyloid peptide (1-42) in mice. Prog. Neuropsychopharmacol. Biol. Psychiatry 29, 901-7, (2005).
19) Jin Y., Yan E. Z., Fan Y., Zong Z. H., Qi Z. M., Li Z. Sodium ferulate prevents amyloid-beta-induced neurotoxicity through suppression of p38 MAPK and upregulation of ERK-1/2 and Akt/protein kinase B in rat hippocampus. Acta. Pharmacol. Sin. 26, 943-51, (2005).
20) Perluigi M., Joshi G., Sultana R., Calabrese V., De Marco C., Coccia R., Cini C., Butterfield D. A. In vivo protective effects of ferulic acid ethyl ester against amyloid-beta peptide 1-42-induced oxidative stress. J. Neurosci. Res. 84, 418-26, (2006).
21) Yan J. J., Cho J. Y., Kim H. S., Kim K. L., Jung J. S., Huh S. O., Suh H. W., Kim Y. H., Song D. K. Protection against beta-amyloid peptide toxicity in vivo with long-term administration of ferulic acid. Br. J. Pharmacol. 133, 89-96, (2001).