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レスベラトロール Product name

効果・効能 Positie Effect

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眼病予防作用(岐阜薬科大学・原英彰教授との共同研究)

加齢黄斑変性症は、加齢に伴い眼の網膜にある黄斑部が変性を起こす疾患であり、視力低下、視野の欠落、失明につながる疾患です。欧米(アメリカ)では成人中途失明原因の第一位の疾患です。日本においても第四位の疾患であり、近年増加傾向にあります。

一方, 網膜色素変性症は、遺伝性の疾患であり、長期間をかけて網膜の視細胞が退行変性していき、主に進行性夜盲、視野狭窄、羞明(強い光を受けた際に、不快感や眼の痛みなどを生じる症状)が認められ、日本における成人中途失明原因の第三位の疾患です。

これらの疾患には、有効な治療法が無いため、予防や症状の進行を抑えることが重要であると考えられます。両疾患ともに強い光による視細胞へのダメージが症状の進行に深く関与することが示唆されています。

視細胞に対する光障害抑制作用

可視光を照射した視細胞(マウス由来視細胞;661W)におけるマキベリーエキス(MBE)の作用を評価した結果、マキベリーエキスは 1 µg/mL の低濃度で 有意に光障害抑制作用が認められました(図 8)。更に,光障害によるアポトーシス抑制作用も認められました(図 9,10)。

マキベリーエキスの光障害抑制作用

図8. マキベリーエキスの光障害抑制作用
溶媒:細胞培養培地
Mean±SE, n=6, ##p < 0.01 vs control,
* p < 0.05, ** p < 0.01 versus vehicle.

マキベリーエキスの光障害誘発アポトーシス抑制作用

図9. マキベリーエキスの光障害誘発アポトーシス抑制作用

赤い点がアポトーシスを起こした細胞。マキベリーエキスと添加した場合、光照射によるアポトーシス細胞の増加が抑制された。

マキベリーエキスの光障害誘発アポトーシス抑制作用

図10. マキベリーエキスの光障害誘発アポトーシス抑制作用
溶媒:細胞培養培地
Mean±SE, n=6, ##p < 0.01 vs control, ** p < 0.01 versus vehicle.

マキベリーエキスに特徴的に含まれるデルフィニジン-3,5-グルコシドおよびデルフィニジン-3-サンブビオシド-5-グルコシドについて、視細胞における光障 害抑制作用を評価したところ、両成分ともに光障害抑制作用、アポトーシス抑制作用を示しました(図 11)。このことから両成分がマキベリーエキスの有効成分であると確認されました。

デルフィニジンの光障害誘発アポトーシス抑制作用

図11. デルフィニジンの光障害誘発アポトーシス抑制作用
溶媒:細胞培養培地
Mean±SE, n=6, ##p < 0.01 vs control, ** p < 0.01 versus vehicle

マキベリーエキスに特徴的に含まれるデルフィニジン-3,5-グルコシドおよびデルフィニジン-3-サンブビオシド-5-グルコシドについて、視細胞における光障 害抑制作用を評価したところ、両成分ともに光障害抑制作用、アポトーシス抑制作用を示しました(図 11)。このことから両成分がマキベリーエキスの有効成分であると確認されました。

デルフィニジンの光障害誘発アポトーシス抑制作用

図12. 各種ベリーエキスの視細胞保護作用の比較
溶媒:細胞培養培地

視細胞に光照射を行うと細胞内の活性酸素(ROS)が増加(酸化ストレスが発生)し、ストレス応答性分子の p38 タンパクの発現が上昇し、細胞死(アポ トーシス)を引き起こします(図 13)。マキベリーエキスおよびその有効成分のデルフィニジンは、光照射による細胞内の ROS の産生を抑制し(図 14,15)、さ らに p38 タンパクの増加を抑制する(図 16)ことで細胞死(アポトーシス)を防ぎます。

光照射によるアポトーシスの誘導機構とマキベリーエキスの抑制作用

図13. 光照射によるアポトーシスの誘導機構とマキベリーエキスの抑制作用



光照射によるアポトーシスの誘導機構とマキベリーエキスの抑制作用

図14. マキベリーエキスの光照射細胞内の活性酸素生成抑制作用
Mean±SE, n=6, ##p < 0.01 vs control, ** p < 0.01 versus vehicle.
溶媒:細胞培養培地



光照射によるアポトーシスの誘導機構とマキベリーエキスの抑制作用

図15. デルフィニジンの光照射細胞内の活性酸素生成抑制作用
Mean±SE, n=6,##p < 0.01 vs control, ** p < 0.01 versus vehicle.)
溶媒:細胞培養培地



光照射によるアポトーシスの誘導機構とマキベリーエキスの抑制作用

図16. マキベリーエキスの光照射細胞内の p38 タンパク発現抑制作用
溶媒:細胞培養培地
Mean±SE, n=6,##p < 0.01 vs control, ** p < 0.01 versus vehicle.

抗酸化作用
(1)ORAC値

マキベリーについて抗酸化活性の指標であるORAC(Oxygen RadicalAbsorbance Capacity)値を測定した結果、非常に強い抗酸化活性を有することが分かりました。マキベリーはフルーツの中でも非常に抗酸化活性が高く、オレンジの 13 倍、カシスの 3.5 倍、野生種ブルーベリーの 2.9 倍の ORAC 値を示しました(図 17)。

ORAC値

図17. 各種フルーツ(生)のORAC値
マキベリー以外は文献値(3)を引用

(2) Brunswick Laboratories (USA)

(3)"USDA Database for the Oxygen Radical Absorbance Capacity (ORAC) of Selected Foods, Release 2"

マキベリーエキス-P35 の ORAC 値は 26,000 µmol TE/g 以上を示しました。

デルフィニジンの光障害誘発アポトーシス抑制作用

表 1. マキベリーエキス-P35 の ORAC 測定値 4)
4) Brunswick Laboratories (USA)

(2)試験管内(in vitro)各種抗酸化作用

①スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性

マキベリーエキスに多く含まれるデルフィニジンはアントシアニン類の中でも、特に優れた抗酸化作用を示します。デルフィニジンは活性酸素の一種スー パーオキシドアニオンラジカルの消去活性が最も強い(IC50 が最も低い)ことが確認されています(図 18)。

ORAC値

図18. 各種アントシアニンのスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性 5)
Del: デルフィニジン、Pet: ペチュニジン、Mal: マルビジン、
Cya: シアニジン、Peo: ペオニジン、Pel: ぺラルゴニジン
4'-Me Del: 4'-メチルデルフィニジン

②ペルオキシナイトライト消去活性

同様に活性酸素の一種ペルオキシナイトライトに対する消去活性もデルフィニジンが最も強い(ニトロ化阻害率が高い)ことが判明しています(図 19)。

各種アントシアニンのペルオキシナイトライト消去活性

図 19. 各種アントシアニンのペルオキシナイトライト消去活性 5)
Del: デルフィニジン、Pet: ペチュニジン、Mal: マルビジン、
Cya: シアニジン、Peo: ペオニジン、Pel: ぺラルゴニジン
4'-Me Del: 4'-メチルデルフィニジン

③脂質過酸化抑制作用

試験管内(in vitro)試験において、デルフィニジンがリポソーム(人工脂質二重膜(細胞膜)モデル)の過酸化を抑制することが確認されました 3) 。アントシアニン類は鉄(2 価)イオンによる脂質の過酸化を強く抑制し、特にデルフィニジンが強い抗酸化作用を示しました(図 20)。

各種アントシアニンのリポソーム脂質過酸化抑制作用

図 20. 各種アントシアニンのリポソーム脂質過酸化抑制作用 6)
Del: Fe (II): 鉄 2 価イオンによる脂質過酸化、
Cya: UV: 紫外線による脂質過酸化、AAPH: ラジカル発生剤

④過酸化水素による生体脂質過酸化反応の抑制作用

活性酸素の一種、過酸化水素(H2O2)により生体脂質(ラット脳ホモジネート)の過酸化反応を誘発し、それに対するアントシアニン類の抑制作用を調べ た結果、デルフィニジンが最も強い(ID50 が最も低い)抑制作用を示しました(図21)。

各種アントシアニンの生体脂質過酸化抑制作用

図 21. 各種アントシアニンの生体脂質過酸化抑制作用 7)

⑤低密度リポタンパク質(LDL)過酸化抑制作用

in vitro 試験において、デルフィニジンおよびシアニジンが LDL の過酸化(ヘキサナール形成)を抑制することが確認されました(図 22)。デルフィニジンの ほうがシアニジンよりも作用が強い傾向が認められます。酸化 LDL は動脈硬化の発症に関連が深く、LDL の酸化抑制は動脈硬化の予防に重要であると考えら れています。

各種アントシアニンの生体脂質過酸化抑制作用

図 22. 各種アントシアニンの生体脂質過酸化抑制作用 (文献 8)より改変)
Del: デルフィニジン、Cya: シアニジン、
glu: グルコシド、rut: ルチノシド

5) M. M. Rahman et. al., Free Radic Res, 40(9), 993-1002 (2006)
6) J. Gabrielska et. al., Z Naturforsch, 60C, 399-407 (2005)
7) Y. Noda et. al., J Agric Food Chem, 50, 166-171 (2002)
8) M. P. Kahkonen et. al., J Agric Food Chem, 51, 628-633 (2003)

(3)紫外線(UV)照射した皮膚角化細胞に対する抗酸化作用

①スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性

皮膚に紫外線(特に UV-B)が当たると、紅斑、炎症、色素沈着、光老化(しわ、しみ、たるみ)、発がんなどが引き起こされます。UV 照射により細胞内に 活性酸素が発生し、細胞内の DNA や脂質の過酸化が進み細胞死(アポトーシス)に至ります。

デルフィニジンは UV 照射したヒト皮膚角化細胞(HaCaT)に対して抗酸化作用を発揮し、ほぼ濃度依存的に細胞死を抑制することが確認されました(図 23)。

UV照射誘発細胞死抑制作用

図23. デルフィニジンのUV照射誘発細胞死抑制作用 9)

UV 照射した皮膚角化細胞内では、活性酸素による脂質の過酸化反応が認められますが、デルフィニジンを添加することで脂質の過酸化が抑制されました(図 24)。

デルフィニジンは UV 照射したヒト皮膚角化細胞(HaCaT)に対して抗酸化作用を発揮し、ほぼ濃度依存的に細胞死を抑制することが確認されました(図 23)。

デルフィニジンのUV照射誘発脂質過酸化抑制作用

図24. デルフィニジンのUV照射誘発脂質過酸化抑制作用 9)

9) F. Afaq et. al., J Invest Dermatol, 127, 222-232 (2006)

抗炎症作用

マウスマクロファージ細胞(RAW264.7)を用いて、アントシアニン類の抗炎症作用を評価した結果、アントシアニン類の中でも特にデルフィニジンに強い 抗炎症作用が確認されました。マクロファージ細胞に炎症誘発物質(LPS)を加えると、炎症反応に関与するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)タンパク質が顕 著に増加しますが、デルフィニジンを加えた場合 COX-2 の増加が抑制されました(図 25)。COX-1 は多くの組織で恒常的に発現し、正常な生理機能の維持の ために働いていますが、デルフィニジンは COX-1 タンパクの発現に影響を与えませんでした。

デルフィニジンの COX-2 タンパク発現抑制作用

図25. デルフィニジンの COX-2 タンパク発現抑制作用 10)
マキベリー以外は文献値(3)を引用

皮膚に紫外線(UV-B)が照射されると、COX-2 などの炎症性サイトカインが増加し、それによって炎症促進物質プロスタグランジン E2(PGE2)が産生され 炎症反応が起こります。デルフィニジンは UV-B を照射したマウス皮膚培養細胞(JB6 P+)の COX-2 タンパクの発現と PGE2 の産生を抑制しました(図 26a)。 さらに、マウスの皮膚にデルフィニジンを塗布することで、UV-B 照射によるCOX-2 の発現を抑制しました(図 26b)。

デルフィニジンの COX-2 タンパク発現抑制作用

図26. デルフィニジンの COX-2 タンパク発現抑制作用 11)
a): UV-B を照射したマウス皮膚培養細胞(JB6 P+)に対する COX-2 発現抑制作用
b): UV-B を照射したマウスの皮膚(in vivo)に対する COX-2 発現抑制作用

10) D. X. Hou et. al., Biochem Pharmacol, 70, 417-425 (2005)
11) J. Y. Kwon et. al., Carcinogenesis, 30, 1932-1940 (2009)

抗糖尿病作用

遺伝性Ⅱ型糖尿病モデルマウス(C57BL/6J)に高脂肪食を与えて高血糖状態を誘発した後、アントシアニンを多く含むマキベリーエキスを経口投与しました。 その結果、投与後 4、6 時間後の血中グルコース濃度がマキベリーエキス投与量の増加に従い減少しました(図 27)。マキベリーエキスの特有成分であるデルフ ィニジン-3-サンブビオシド-5-グルコシドが活性成分であることが確認されています。

マキベリーエキス投与によるマウスの空腹時血中グルコース濃度低下作用

図27. マキベリーエキス投与によるマウスの空腹時血中グルコース濃度低下作用 12)
ANC: マキベリーエキス(アントシアニン 60%品)
Metformin: 糖尿病治療薬(血糖降下薬)メトホルミン

ラット肝細胞(H4IIE)を用いた試験の結果、マキベリーエキスがインシュリンの働きを助けて肝細胞における糖の合成を抑制する(糖合成酵素グルコース -6-フォスファターゼの発現を抑える)1)ことが分かりました。また、筋細胞(L6)を用いた試験の結果、マキベリーエキスが筋細胞への糖の取り込みを促進する 1)ことが明らかになりました。筋肉への糖の取り込みを促進することで、糖のエネルギーへの変換を促進し血糖値を低下させると考えられます。

マキベリーエキスは、糖の合成抑制と消費(エネルギーへの変換)促進という両面で抗糖尿病作用を発揮すると考えられます。

12) L. E. Rojo et al. Food Chemistry, 131, 387-396 (2012)

動脈硬化予防作用

血液中の低密度リポタンパク質(LDL)は活性酸素と反応することで酸化 LDLに変化し、血管内皮細胞に対してアポトーシス(細胞死)を引き起こし、動脈 硬化症の発症・進展に関与すると考えられています。

ウシ大動脈内皮細胞(BAECs)にアクチノマイシン D(アポトーシス誘導剤)や7β-ヒドロキシコレステロール(酸化 LDL の細胞毒性成分と考えられている 物質)を添加するとアポトーシスが誘導されますが、デルフィニジンを添加することでこれらのアポトーシスを抑制することが確認されました(図 28)。

デルフィニジンの血管内皮細胞保護(アポトーシス抑制)作用

図28. デルフィニジンの血管内皮細胞保護(アポトーシス抑制)作用 13)
DMSO: ジメチルスルホキシド(コントロール)、Act D: アクチノマイシン D、
7β-OH Chol: 7β-ヒドロキシコレステロール、Del: デルフィニジン

育毛作用

育毛には、毛根の最下部にある毛乳頭細胞と毛髪の源となる毛母細胞の活性化が重要であると考えられています(図 29)。毛乳頭細胞の増殖を促進させるこ とや、毛乳頭細胞から分泌される育毛促進因子(毛母細胞の増殖や毛周期の成長期延長に関わる因子:FGF-7、VEGF 、IGF-1)の発現を増加させることで育毛を促進することができると考えられています。

育毛のメカニズム
FGF-7 直接毛母細胞に働き、毛成長を促進すると考えられており、薄毛部由来の毛乳頭細胞では FGF-7の遺伝子発現量が非薄毛部に比較して約半分低下していた との報告もある。
VEGF 血管内皮細胞増殖因子として、毛包周囲の毛細血管網の発達を促し、毛母細胞へ栄養を供給することで細胞分裂を支援する。
IGF-1 アポトーシス抑制作用などにより毛周期の退行期や休止期への移行を抑制している。

図29. 育毛のメカニズム

(1)毛乳頭細胞増殖促進作用

In vitro 試験においてマキベリーエキスの毛乳頭細胞への影響を評価した結果、マキベリーエキスの添加によって毛乳頭細胞の増殖が濃度依存的に促進されま した(図 30)。育毛作用には、毛根の最下部にある毛乳頭細胞と毛髪の源となる毛母細胞の活性化が重要であると考えられています。

マキベリーエキスの毛乳頭細胞増殖促進作用

図30. マキベリーエキスの毛乳頭細胞増殖促進作用
(ミノキシジルは陽性対照の育毛薬)

またアントシアニンを含むビルベリーエキスやカシスエキスの細胞増殖作用を比較した結果、マキベリーエキスのみが細胞増殖(育毛作用)を有意に促進 することが示されました(図 31)。

各種ベリー類エキスの毛乳頭細胞増殖促進作用の比較

図31. 各種ベリー類エキスの毛乳頭細胞増殖促進作用の比較

(2)育毛因子発現促進作用

毛乳頭細胞から分泌され、毛母細胞の増殖や毛周期の成長期延長に関わる育毛促進因子(FGF-7、VEGF 、IGF-1)の遺伝子発現を評価した結果、マキベリーエキス添加によって各遺伝子の有意な発現亢進が認められました(図 32)。これらの作用は医薬成分ミノキシジルと同様の作用です。

マキベリーエキスのよる各種育毛促進因子増加作用

図32. マキベリーエキスのよる各種育毛促進因子増加作用
(ミノキシジルは陽性対照の育毛薬)

以上の結果より、マキベリーエキスの毛髪の太毛化・発毛促進効果が期待されます。

肌の光老化抑制作用

肌を構成する線維芽細胞を用いた培養試験において、マキベリーエキス添加によって紫外線(UV-B)照射による細胞障害が抑制されました(図 33)。さら に、コラーゲン分解酵素である MMP-1 の発現量は紫外線照射により増加しますが、マキベリーエキスを添加することによってその発現量の増加が抑制されま した(図 34)。

マキベリーエキスの紫外線照射による細胞障害抑制作用

図33. マキベリーエキスの紫外線照射による細胞障害抑制作用

マキベリーエキスのコラーゲン分解酵素(MMP-1)発現抑制作用

図34. マキベリーエキスのコラーゲン分解酵素(MMP-1)発現抑制作用