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アスタキサンチン Product name

効果・効能 Positie Effect

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抗酸化作用

活性酸素などフリーラジカルが細胞膜に触れると,膜脂質から水素を引き抜き,連鎖的過酸化反応を開始し,細胞膜に障害を与えます。細胞膜を連鎖的過酸化反応から守るためにビタミンE,ビタミンC,β-カロテンの3種類の抗酸化物質が主に体内で働いています1)

まず,ビタミンEは細胞膜の少し内側である疎水部分に存在します(図1)。膜脂質にフリーラジカルが存在するとビタミンEは,自らの電子をフリーラジカルに与えて,酸化し,連鎖的過酸化反応を停止させます。また酸化したビタミンEは,細胞外に存在するビタミンCからラジカル電子をもらい,再び抗酸化作用のあるビタミンEに戻ります。一方,酸化したビタミンCは,血液の中に取り込まれて,即座に消去されます。

またβ-カロテンは細胞膜の疎水性部分(中心部分)に存在し,主に膜内で発生したラジカルと直接反応し,ラジカル消去を行います(フリーラジカル捕捉反応)。

このようにビタミンEは細胞膜の内側で,β-カロテンは細胞膜の中心部で,抗酸化力を発揮することにより,細胞膜を活性酸素から守っています。

一方,アスタキサンチンも,細胞膜に取り込まれることが報告されています。その配置は非常に特殊で,アスタキサンチンの両端にあるヒドロキシル基(-OH)(親水基)を細胞内外膜の表面(親水性部分)に配置し,細胞膜に直角となる形で存在しています2)3)。この配置により,アスタキサンチンは細胞膜の中心部と膜内表面部の両方で抗酸化力を発揮することができます4)。アスタキサンチンは細胞膜全体をフリーラジカルから守ることができる極めて優秀な物質で,細胞膜の破損を防ぎ,細胞の外郭をしっかり保護するのに大いに役立ちます。

図1. 細胞膜の抗酸化物質の配置

1) 吉川敏一:フリーラジカル入門,1996,先端医学社,東京.
2) H.Y.Yamamoto et al.,:Thermal transition and spectral properties of carotenoid-containing liposomes , Biochem. Biophys.Acta, 507,119-127(1978)
3) Goto,S.,Kogure,K.,Abe,K. et al.,: Efficient radical trapping at the surface and inside the phospholipids membrane is responsible for highly potent antioxidative activity of the carotenoid astaxanthin, Biochem. Biophys.Acta, 1521,251-258(2001)
4) W.Miki: Biological functions and activities of animal carotenoids, Pure Appl. Chem., 63,141-146(1991).

脳機能改善作用

アスタキサンチンは脳細胞の脂質過酸化を抑制することが報告されています5)。このため血液脳関門を通ることができる(脳細胞に到達できる)抗酸化物質と一般に言われています。これは他の抗酸化物質(食品)にはまれな作用で,脳の抗疲労作用,老化防止作用が期待でき,脳血栓,脳梗塞など活性酸素により引き起こされる疾病を予防する働きがあると期待されています。

オリザ油化㈱では当社の製品である「アスタキサンチン‐20」を用いてラット中大脳動脈閉塞再開通モデルを用い,脳における抗酸化作用について調べました。

この試験は,脳の血液流通を止めた後(虚血),血流を再開させ酸素が再び供給されると,大量の活性酸素が発生し,細胞死を引き起こすことを利用した試験です。あらかじめ抗酸化物質であるアスタキサンチンを経口投与することにより活性酸素の発生を抑制し,細胞の死亡率を下げることができることから,脳の酸化障害を予防する効果が期待できます。アスタキサンチン投与群(アスタキサンチンフリー換算100mg/kg)とコントロール群(アスタキサンチン非投与群)の死細胞(脳梗塞面積)を測定し,比較することにより,脳細胞の活性酸素抑制作用を確認しました。

試験の結果,アスタキサンチンは肉眼でもはっきりわかるほど脳梗塞(図4の白色部分)が抑制され,脳梗塞面積が40%も減少しました(p <0.01)(図2)。

以上の結果より,アスタキサンチンフリー換算100mg/kgにおける脳酸化抑制作用が認められ、活性酸素により引き起こされる脳障害を改善する作用が期待できます。

<試験方法>
ラットを用いて「アスタキサンチン‐20」500 mg/kg(アスタキサンチンフリー換算 100 mg/kg)を閉塞24時間前,1時間前の2回経口投与し,右中大脳動脈を栓子で1時間閉塞させ,右大脳皮質の虚血を行った(図3)。その後,栓子を取り除き,血流を再開させ,脳摘出2時間前に再び同量のアスタキサンチンを経口投与し,脳を摘出(血流再開通24時間後)した。摘出した脳を2 mm間隔で計6枚にスライスし,2%TTC溶液(塩化2, 3, 5-トリフェニルテトラゾリウム/リン酸緩衝生理食塩溶液)で生存している細胞を染色(37℃,15分)した(図4)。画像解析ソフト(NIH image)を用いて脳切片の死滅細胞の面積を測定し,脳梗塞面積の算出をした。オリーブ油投与したラットをコントロール群として用い,比較を行った。なお,中大脳動脈閉塞の約15分後に神経症状(左前肢の伸展)が認められるラットをラット中大脳動脈閉塞再開通モデルとして使用した。

**:コントロール群と比較して有意差あり(p <0.01)

図2. ラットの脳梗塞面積(平均±標準偏差, n=6)

図3. 試験スケジュールの概要

図4. ラットの脳細胞

5) Kudo,Y.,Nakajima,R.,Matsumoto,N. et al.,:Effects of astaxanthin on brain damages due to ischemia, Carotenoid Science,5,25(2002).

眼精疲労予防作用

アスタキサンチンが眼精疲労を改善させる効果があるかをみるために,眼精疲労の自覚症状のある健常人40名をアスタキサンチン投与群とプラセボ群に分け二重盲検法を用い,アスタキサンチンを1日6 mg(プラセボ群は0 mg),4週間続けて服用させた試験結果が報告されています6)7)

その結果,眼精疲労を評価する指数である準他覚的調節力,調節緊張速度,調節弛緩速度で有意な改善(p<0.01)が認められ,プラセボ群と比較してピントの調節機能が改善されたことが示唆されました(表1,図5,図6)。また同時に行ったアンケート結果では,「目がしょぼしょぼする」,「イライラしやすい」といった項目で有意な改善が確認されており,アスタキサンチンが疲れ目による自覚症状を改善することが確認されています。

表1. 眼精疲労評価(準他覚的調節力,調節緊張速度,調節弛緩速度)

  摂取群
コントロール群 アスタキサンチン群
測定項目 摂取前 摂取後2週 摂取後4週 摂取前 摂取後2週 摂取後4週
準他覚的調節力の変化率(%) 100 103.2±19.2 107.8±25.2 100 156.0±47.7** 164.4±52.8**
調節緊張速度(D/秒) 3.60±2.07 3.61±2.10 3.78±2.04 2.95±1.18 3.88±1.35** 4.27±1.52**
調節弛緩速度(D/秒) 5.14±3.24 4.99±3.49 5.75±3.13 3.78±1.88 5.34±2.58** 5.68±2.02**

各値:平均±標準偏差 **:摂取開始前と比較して有意差あり(p<0.01)

図5. 調節緊張速度の推移
(臨床医薬,21(6),637-650(2005)より改変)

図6. 調節弛緩速度の推移
(臨床医薬,21(6),637-650(2005)より改変)

6) 白取謙二,大神一浩,新田卓也ら:アスタキサンチンの調節機能および疲れ目に及ぼす影響-健常成人を対象とした効果確認試験‐,臨床医薬,21(6),637-650(2005)
7) 新田卓也,大神一浩, 白取謙二ら:アスタキサンチンの調節機能および疲れ眼に及ぼす影響-健常成人を対象とした摂取量設定試験‐,臨床医薬,21(5),543-556(2005)

動脈硬化抑制作用

血液中にLDL-コレステロールが多く存在すると,血管内膜にLDL-コレステロールが蓄積され,やがて酸化されます。酸化されたLDL-コレステロールはマクロファージにより捕食され,捕食したマクロファージは泡沫細胞となり,血管内膜に取り込まれ粥状のアテロームプラークを形成します。このアテロームプラークの形成には安定型と不安定型の2種類あり,「脂肪コア(アテロームプラークの脂質を含む部分)が繊維性組織で厚く覆われ,内膜が厚いもの」を安定アテロームプラーク,「脂肪コアが繊維性組織で薄く覆われ,内膜が薄いもの」を不安定アテロームプラークといいます(図7)。不安定アテロームプラークは破損しやすく,血栓や出血,血管閉塞,細胞壊死などを引き起こし,急性疾患を引き起こす元となります。また不安定プラーク部分にマクロファージなどを遊走させ,炎症反応を起こします。

アスタキサンチンはこの不安定アテロームプラークを抑制し,安定アテロームプラークの形成を促進するという報告があります8)。高脂血症モデルのウサギにアスタキサンチンを混ぜた餌(100mg/kg)を24週間自由摂取させたところ,マクロファージのアテロームプラークへの遊走抑制,繊維性プラークの形成促進,プラークの破損抑制の効果が認められました。この結果,アスタキサンチンは安定アテロームプラークを形成させる作用があり,アテローム性動脈硬化による急性症状の発現を軽減させる働きがあることが示唆されました。

図7. プラークの形成

8) Li, W. Hellsten, A., et al.,: Alpha-tocopherol and astaxanthin decrease macrophage infiltration, apoptosis and vulnerability in atheroma of hyperlipidaemic rabbits, J .Mol. Cell Cardiol., 75,969-978(2004)

抗炎症作用

アスタキサンチンには,抗炎症作用があることが認められています9)10)

人が細菌に感染すると,細菌から体を守るために生体防御反応が起こります。細菌が体内に入ると,マクロファージなどの食細胞により細菌は捕食されます。細菌を捕食したマクロファージは細胞内でIL-1,TNF-αなどのサイトカインを生成し,iNOS酵素を刺激してNO(一酸化窒素)を産生します(図8)。またIL-1,TNF-αはNF-κBを活性化させ,IL-1をさらに増産させます。増産したIL-1は,COX-2を活性化させPGE2(プロスタグランジンE2)を産生します。このようにして産生されたNO ,TNF-α,PGE2は炎症反応を起こして細菌から体を守っています。

しかし,さまざまな要因により毒性の強いNOを必要以上に過剰生産すると組織障害が引き起こされ,がんや老化などの原因となります。また過剰なPGE2の生産は痛みを増幅させ,発熱を引き起こすため,リウマチ性関節炎などの原因となっています。

アスタキサンチンはマクロファージ系の抗炎症作用を抑制することが報告されています。マウスに炎症を引き起こすリポ多糖(LPS)を投与し,抗炎症薬であるプレドニゾロンとアスタキサンチンを投与して抗炎症作用の比較を行ったところ,アスタキサンチンはプレドニゾロンと同様にNO ,TNF-α,PGE2の産生を抑制し,その作用はプレドニゾロンの1/10であることが確認されました(図9)。

またマウスのマクロファージ様細胞であるRAW細胞を用いたin vitroの試験系でアスタキサンチンはNF-κB,IL-1βの活性を抑制することが確認されてます。

図8. マクロファージ細胞内の炎症発生時のメカニズムとアスタキサンチンの作用

図9. アスタキサンチンのNO ,TNF-α,PGE2の産生抑制率

9) Ohgami,K., Shiratori,K., et al., :Effects of astaxanthin on lipopolysaccharide-Induced inflammation in vitro and in vivo, Invest. Ophthalmol. Vis. Sci.,44(6),2694-2701(2003)
10) Lee,S.J., Bai,S.K., et al., :Astaxanthin inhibits nitric oxide production and inflammatory gene expression by suppressing IκB kinase-dependent, Mol.Cells.,16,97-105(2003)

美容作用

アスタキサンチンを経口摂取したところ,皮膚の水分量,しわ及び弾力性を改善したという報告があります11)

一重盲検方式を用い,健常人女性(アスタキサンチン群28名,プラセボ群21名)にアスタキサンチン4 mg/dayを6週間続けて服用させた結果,機器測定(水分量,弾力性)及び皮膚医師による視察触診(しわ,弾力性)で有意な改善が認められています(図10)。

改善された要因としてアスタキサンチンが紫外線により生成される一重項酸素を消去するため,6週間摂取し続けることで,ターンオーバー後の新生コラーゲンの酸化架橋,分解を防ぎ,肌のコラーゲンが保護されたためと示唆されています。

このようにアスタキサンチンはしわの形成及び皮膚の弾力性の低下に対して改善効果があることがわかっています。

  • 水分量(機器測定)
  • 弾力性(機器測定)
  • しわ(視察触診)
  • 弾力性(視察触診)

図10. アスタキサンチン 4 mg/day 6週間摂取したときの皮膚の変化
(FOOD Style 21,9,72-75(2005)より改変)

11) 山下栄次:アスタキサンチン含有健康補助食品の美容効果,FOOD Style 21,9,72-75(2005)