
製品名 | 性状 | 内装 | 外装 | 重量 | 用途 |
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カンカエキス-P25 | 水溶性粉末 | アルミ袋 | ダンボール包装 | 5kg | 食品 |
カンカエキス-PC25 | 水溶性粉末 | アルミ袋 | ダンボール包装 | 5kg | 化粧品 |
原料・素材についてRaw materials
カンカニクジュヨウ(Cistanche Tubulosa (Schenk) R. Wight)は,タマリクス(日本名でベニヤナギ)の根部に寄生する植物であり,根および葉緑体も無いので,光合成をすることができません(図1)。よって,寄生する植物の養分を吸い取って成長します。
日本では平成16年の厚生労働省の食薬区分の改正により,カンカニクジュヨウは食品として区分されています。同様な寄生植物である,漢方調剤用のニクジュヨウと同じハマウツボ科ニクジュヨウ属に属します。
カンカニクジュヨウは中国新疆ウイグル自治区タクラマカン砂漠に分布し,砂漠の厳しい環境下において,開花し,実をつけるという強い生命力を持っています(図2)。また,宿主であるベニヤナギは高さ6mに達する植物であり,濃いピンク色の小さな花を咲かせ,砂漠地域における防風・防砂林(黄砂を防ぐ)としての役目を果たしています。このような事から,カンカニクジュヨウは砂漠の緑地化および地球温暖化対策の切り札として注目され,中国政府は地域産業の活性化としても栽培を推奨しています。
タクラマカン砂漠のオアシスとして知られるホータン(和田)地区は,森下敬一氏の報告によると,世界4大長寿国の一つであり,100歳を超えるお年寄りの比率が中国一であります。
さらに,長寿として有名な日本の沖縄県と比較した結果,10万人当たりの100歳以上の人の数が,沖縄は51人に対してホータンは183人であり,約3倍以上であります。ホータンに住む人々は昔から,過酷な環境で生き抜くためカンカニクジュヨウを常食し,現地ではスライスした物を羊肉の鍋で煮込んで食用したり,お茶およびお酒に漬けて飲用したりする習慣があり,これらの事が長寿の秘訣といわれています。
オリザ油化では,台湾の医薬品メーカーである杏輝薬品工業㈱および北京大学の協力の元,カンカニクジュヨウエキスについての共同研究を行ってきました。
杏輝薬品工業㈱は,新疆ホータン(和田)地区に原料の生産基地を建設し,子会社である新疆天力砂生薬物有限公司を設立しています。そこで,カンカニクジュヨウのGAP栽培を行い,高品質で安定,無農薬の素材資源を提供することが可能であり,原料品質の均一性と安全性に非常に優れています。さらに,有機認証を取得して,GMP施設での製造を行っています。
当社のカンカエキスは今までにない高濃度品(エキナコシド25%以上,アクテオシド9%以上)であり,食品や化粧品の配合原料として,幅広くご利用頂けるものと考えています。
図1. カンカニクジュヨウ
図2. 新疆ウイグル自治区ホータン(和田)地区(カンカGAP栽培場所)
カンカエキスに含まれる主な有効成分は,フェニルエタノイド配糖体であり,その中でも,エキナコシド(echinacoside)およびアクテオシド(acteoside)が多く含まれています(図3)。エキナコシドは,ハーブであるエキナセアの主成分として知られていますが,含量的に植物界ではカンカニクジュヨウが一番多く含まれています。また,アクテオシド(ポリフェノールの一種)は抗酸化力が非常に強く,レスベラトロール(ブドウポリフェノール)の15倍,ビタミンCの5倍であると報告されています。
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図3. カンカエキスの活性成分
図4. カンカニクジュヨウとニクジュヨウの活性成分含量比較(カンカを100とした)
安定性データStability Data
カンカエキスの熱安定性を検討した結果,エキナコシド,アクテオシドおよびフェニルエタノイド配糖体含量は,1時間の加熱(100および120℃)によっても変化がみられず,通常の食品加工温度に対して安定であることが分かりました。
エキナコシド含量 ![]() | アクテオシド含量 ![]() |
フェニルエタノイド配糖体含量 ![]() |
カンカエキスの熱安定性
カンカエキスを30%エタノールに溶解させ,pH調整し,非遮光下,室温で1日および1週間保存後,エキナコシド,アクテオシドおよびフェニルエタノイド配糖体含量を測定しました。カンカエキス中の各成分は酸性~中性領域で安定であり,通常の食品加工領域では問題ない事が確認されました。
エキナコシド含量 | |
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アクテオシド含量 | |
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フェニルエタノイド配糖体含量 | |
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カンカエキスのpH安定性(pH無調整初期値を100%とした)
カンカエキス-P25について,0.4%水溶液(pH3.5)を調製し,室温(非遮光下),25℃(遮光),40℃(遮光),5℃(遮光)で2週間保存し,沈殿,濁り,着色の有無を目視で確認しました。カンカエキス-P25の液剤安定性は酸性域において極めて高いことがわかりました。
液剤安定性(0.4%水溶液,pH3.5条件下) | ||||
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室温 (光照射) | 25℃ (遮光) | 40℃ (遮光) | 5℃ (遮光) | |
沈殿濁り | なし | なし | なし | なし |
着色 | なし | なし | なし | なし |
安全性試験データSafety profile
カンカエキスについて,食品衛生法および農薬取締法に準じて,447項目の農薬の有無を調べました。その結果,全項目について基準値(検出限界値)以下であることが判明しました。
試験依頼先:株式会社マシス
試験成績書発行年月日:平成19年1月16日
依頼番号:9444
カンカエキスについて,有機認証(農薬を使用していない)を取得しています(認証番号:COFCC-R-0704-0096,下記参照)。
雌雄性マウス(n=10)にカンカエキス(26.4 g/kg)を経口投与し,8日間観察しました。その結果,死亡例や検体投与による毒性症状は認められませんでした。従って,カンカエキスのマウスにおけるLD50値(経口投与)は,雌雄ともに26.4 g/kg以上です。
また,同様な試験で,カンカエキスのラットにおけるLD50値(経口投与)は,雌雄ともに17.6 g/kg以上です。
① 変異原性試験(Ames試験)
サルモネラ菌株TA97,TA98,TA100およびTA102を用いて,カンカエキスのAmes試験を行いました。その結果,カンカエキス8~5000 μg/plateの濃度において,変異原性は認められませんでした。
② 多染性赤血球小核試験
雌雄性マウス(n=5)にカンカエキス(2.5~10 g/kg)を経口投与し,胸骨骨髄における多染性赤血球細胞(PCE)の小核発生率を観察しました。その結果,カンカエキスの骨髄細胞に対する損傷は認められませんでした。
③ 催奇形性試験
雄性マウス(n=5)にカンカエキス(2.5~10 g/kg)を5日間連続経口投与し,30日後に精子を観察しました。その結果,カンカエキスのマウスの精子における催奇形性は認められませんでした。
雌雄性ラット(n=10)にカンカエキス(0.65 g~1.3 g/kg)を30日間連続経口投与しました。その結果,死亡例や体重推移の異常は認められませんでした。また,血液学的検査および血液化学的検査においても異常は認められませんでした。
雌雄性ラット(n=18)にカンカエキス(1.65 g/kg)を180日間連続経口投与しました。その結果,死亡例や体重推移の異常は認められませんでした。
また,ビーグル犬(n=18)にカンカエキス(1.50 g/kg)を180日間連続経口投与しました。その結果,死亡例や体重推移の異常は認められませんでした。
以上の結果よりカンカエキスは安全性が高いと考えられます。
カンカエキスの栄養成分Nutritional profile
分析項目 | 結果 | 注 | 分析方法 |
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水分 | 3.2g/100g | 減圧加熱乾燥法 | |
タンパク質 | 1.9g/100g | 1 | ケルダール法 |
脂質 | 1.0g/100g | 酸分解法 | |
灰分 | 2.9g/100g | 直接灰化法 | |
炭水化物 | 91.0g/100g | 2 | |
エネルギー | 381kcal/100g | 3 | 修正アトウォーター法 |
食物繊維 | 0.0g/100g | プロスキー法 | |
ナトリウム | 250mg/100g | 原子吸光光度法 | |
食塩相当量 | 0.6g/100g | ナトリウム換算値 |
試験依頼先:株式会社エスアールエル
試験成績書発行年月日:平成18年12月13日
依頼番号:第200611300029号
推奨摂取量Recommended dosage
一日あたりカンカエキス-P25として,100~400 mgの使用をおすすめします。
応用例Application Example
利用分野 | 剤系 | ||
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食品 | 加工食品 | 飲料(清涼飲料水,ドリンク等),ハードおよびソフトカプセル,タブレット,キャンディー,チューインガム,グミ,クッキー,チョコレート,ウエハース,ゼリー等 | |
化粧品 | 美容化粧品 | 化粧水,ローション,パック,ボディジェル等 |