
製品名 | 性状 | 内装 | 外装 | 重量 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|
カカオエキス-P | 粉末 | アルミ袋 | ダンボール包装 | 5kg | 食品 |
カカオエキス-WSP | 粉末 | アルミ袋 | ダンボール包装 | 5kg | 食品 |
カカオエキス-PC | 粉末 | アルミ袋 | ダンボール包装 | 5kg | 化粧品 |
カカオエキス-LC | 液体 | キュービーテナー | ダンボール包装 | 5kg | 化粧品 |
原料・素材についてRaw materials
カカオ(Theobroma cacao)の歴史は紀元前4000年に遡り,紀元前2000年頃から古代メキシコを中心に栽培が始まったとされています。学名の一部である「Theobroma(テオブロマ)」とはギリシャ語で"神様の食べ物"という意味で,古代メキシコでは,不老長寿の薬として王侯貴族の間で珍重されていました。当時は,カカオをすり潰しただけのものを食していましたが,これがスペインを経てヨーロッパ全土に広がり,現在のように世界中の人々に親しまれているチョコレートやココアに変化をとげました。
カカオは赤道の南北緯20度以内,年間平均気温27℃以上の高温・多湿な地方で栽培される熱帯植物で,他の木と異なり幹に花が咲き果実(カカオポッド)となります。カカオポッドは20cmほどのラグビーボールのような形をしており,この中には白いパルプ質の果肉に包まれたカカオ豆(種子)が30~40粒入っています(図1)
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図1. カカオ果実とその断面図
オリザ油化では,カカオ種子の抽出液を独自の製法で加工し,テオブロミンの含有量を10%,ポリフェノールの含有量を20%にまで高めることに成功しました。
またカカオエキスには,脳内物質であるフェニルエチルアミン(PEA)が含まれていることを確認しています。さらにγ-アミノ絡酸(ギャバ)も含まれていることが明らかになりました。
安定性データStability Data
カカオエキス(賦形剤無添加品)の熱安定性を検討した結果,テオブロミンおよびポリフェノール含量は,100℃及び120℃,1時間の加熱によっても変化がみられず,通常の食品加工温度に対して安定であることが分かりました。
図2. カカオエキスの熱安定性
カカオエキス(賦形剤無添加品)を0.5%濃度になるように30%エタノールに溶解させ,pH調整し,非遮光下,室温で1日および1週間保存後,テオブロミンおよびポリフェノール含量を測定しました。カカオエキス中のテオブロミンは,酸性からアルカリ性まで幅広いpH域で安定であることが分かりました。ポリフェノールは酸性では安定であり,アルカリ性で1割程度の含量の減少が,1週間保存後では中性からアルカリ性で1~2.5割の含量低下が確認されました。
図3. カカオエキスのpH安定性
カカオエキス-WSP(水溶性グレード)について,0.3%水溶液(pH3.5)を調製し,室温(非遮光下),25℃(遮光),40℃(遮光),5℃(遮光)で4週間保存し,沈澱,濁り,着色の有無を目視で確認しました。カカオエキス-WSPの液剤安定性は酸性域において極めて高いことがわかりました。
液剤安定性(0.3%水溶液) | ||||
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室温 (光照射) | 25℃ (遮光) | 40℃ (遮光) | 5℃ (遮光) | |
沈殿 濁り | なし | なし | なし | なし |
着色 | なし | なし | なし | なし |
安全性試験データSafety profile
食品衛生法(厚生労働省)で残留基準値が定められた農薬について調査しました。
分析項目 | 結果 | 検出限界 | 方法 | 注 |
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カプタホール | 不検出 | 0.04/ppm | GC-MS | 1 |
クロロタロニル | 不検出 | 0.05/ppm | GC-MS | 1 |
ジクロルボス | 不検出 | 0.5/ppm | GC-MS | 1 |
デルタメトリン | 不検出 | 0.05/ppm | GC-MS | 1 |
ビオレスメトリン | 不検出 | 0.1/ppm | GC-MS | 1 |
ピレトリン | 不検出 | 1.0/ppm | GC-MS | 1 |
フェニトロチオン | 不検出 | 0.1/ppm | GC-MS | 1 |
アミトロール | 不検出 | 0.03/ppm | LC-MSMS | 1 |
ダミノジッド | 不検出 | 0.01/ppm | LC-MSMS | 1 |
2,4,5-T | 不検出 | 0.1/ppm | GC-MS | 2 |
グリホサート | 不検出 | 0.2/ppm | LC | 2 |
シヘキサチン | 不検出 | 0.02/ppm | GC | 2 |
体重30 g前後,5週齢のICR系雄性マウスにカカオエキス2000 mg/kgの用量で経口投与し,温度23±2℃,湿度50±10%,餌,水自由摂取の条件下で14日間飼育しました。その結果,死亡例や体重推移の異常(対照群との比較)は認められず,試験終了後に行った剖検においても,臓器の肉眼的異常は認められませんでした。したがって,カカオエキスのマウスにおけるLD50値は,2000 mg/kg以上です。
カカオエキスの栄養成分Nutritional profile
分析項目 | P | WSP | 注 | 分析方法 |
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水分 | 8.5g/100g | 3.8g/100g | 常圧及び減圧加熱乾燥法 | |
タンパク質 | 44.1g/100g | 2.3g/100g | 1 | 燃焼法 |
脂質 | 2.6g/100g | 0.7g/100g | 酸分解法 | |
灰分 | 7.0g/100g | 2.7g/100g | 直接灰化法 | |
炭水化物 | 37.8g/100g | 90.5g/100g | 2 | |
エネルギー | 351kcal/100g | 378kcal/100g | 3 | 修正アトウォーター法 |
食物繊維 | 5.1 g/100未満 | - | プロスキー法 | |
ナトリウム | 95mg/100g | 16mg/100g | 原子吸光光度法 |
試験依頼先:株式会社エスアールエル
試験成績書発行年月日:平成19年9月17日,平成22年2月24日
依頼番号:第200801310044号,第 201002180030号
推奨摂取量Recommended dosage
一日あたりカカオエキス-Pとして,100~250 mgの使用をおすすめします。
応用例Application Example
利用分野 | 剤系 | ||
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食品 | 加工食品 サプリメント形状食品 | 飲料(清涼飲料水,ドリンク等),ハードおよびソフトカプセル,タブレット,キャンディー,チューインガム,グミ,クッキー,チョコレート,ウエハース,ゼリー等 | |
化粧品 | 美容化粧品 | 化粧水,ローション,パック,ボディジェル等 |