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カカオエキス Product name

効果・効能 Positie Effect

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国内には,日本チョコレート・ココア協会があり,定期的にカカオやココアの機能性に関する研究成果が報告されています。近年の報告では,抗うつ作用,冷え症改善作用,歯周病予防作用,動脈硬化予防ならびにヘリコバクタ・ピロリ菌に対する感染予防効果などがあり,これらの多くは,カカオに含まれるポリフェノールの作用であると考えられています。当社においても,カカオハスクに含有されるポリフェノールの単離精製を行い,これまでに図1のポリフェノール成分を単離同定しています。

図1.カカオエキスの含有成分

一方,カカオの主成分は,メチルキサンチン誘導体のテオブロミンです。テオブロミンは,摂取後2時間以内に最大血中濃度に達し,カフェインと同様アデノシンレセプターに作用します。また,ホスフォジエステラーゼ阻害にもとづくサイクリックAMPの上昇を惹起し,その結果,一般的な薬理作用として知られる心拍数の増加,血管拡張(脳血管では収縮),気管支拡張および利尿作用を誘発します。一方,同じメチルキサンチンであるカフェインにみられる中枢興奮作用は,テオブロミンにはほとんどみられません。むしろ,近年伝えられているココアの精神安定化作用にテオブロミンが一部関与しているものと考えられています。1)

さらに,テオブロミンには脂肪分解作用2, 3) があり,カフェインと同様に体脂肪の分解作用が期待できます。
1) Smit H. J., Gaffan E. A., Rogers P. J. Methylxanthines are the psycho-pharmacologically active constituents of chocolate. Psychopharmacol. 176, 412-419. (2004).
2) Fredholm B. B., Lindgren E. The effect of alkylxanthines and other phosphodiesterase inhibitors on adenosine-receptor mediated decrease in lipolysis and cyclic AMP accumulation in rat fat cells. Acta. Pharmacol. Toxicol. 54, 64-71 (1984).
3) Hayashi S., Sakaguchi T. Studies on 3,7-dimethyl-1-(5-oxo-hexyl)-xanthine (BL 191). II. Effect of BL 191 on lipolysis in rat epididymal adipose tissue. Chem. Pharm. Bull. (Tokyo) 23, 3119-3124. (1975).

体重増加抑制作用

カカオエキスから調製したテオブロミン分画(テオブロミン32.0%, ポリフェノール12.1%),およびポリフェノール分画(テオブロミン5.3%, ポリフェノール53.6%)について,マウスの体重や体脂肪に及ぼす影響を調べました。その結果,テオブロミン分画(1%)に体重増加抑制作用が認められましたが,ポリフェノール分画には抑制作用が認められませんでした(図2,表1)。これに対し,両者を1%ずつ配合したグループでは,テオブロミン分画単独の場合と比較して明らかな体重増加抑制作用の増強が認められました。この結果より,カカオハスクに含有されるポリフェノールには,テオブロミンの体重増加抑制作用を補助する働きがあるものと考えられます。


図2. カカオエキス分画のマウスの体重に及ぼす作用 (n=6)

表1. カカオエキス分画のマウスの体重及び摂餌量に及ぼす作用

  配合量(%) 開始時体重(g) 終了時体重(g) 体重増加(g) 摂餌量(g)
Control - 30.7±0.6 35.8±0.9 5.1±0.4 74.8
テオブロミン分画 0.5 30.6±0.4 35.5±0.8 4.9±0.5 75.2
  1.0 30.4±0.5 34.5±0.7 4.2±0.4 74.5
ポリフェノール分画 0.5 30.1±0.4 35.0±0.9 4.9±1.1 77.2
  1.0 30.0±0.5 35.2±0.8 5.2±0.6 76.7
Control   29.1±0.4 35.0±0.9 5.9±0.5 65.0
テオブロミン分画+ポリフェノール分画

1.0+

1.0
30.5±0.5 34.4±0.4 3.9±0.3 67.4

平均値±S.E., n=6

【実験方法】

マウス(ddY, 雄, 5週齡, 日本クレア社)を4日間予備飼育した後,粉末飼料(MF, オリエンタル酵母社)に混餌した各サンプルを12~13日間自由摂取させた。飼育期間中,体重および摂餌量を経時的に測定した。

さらに,カカオエキス分画をマウスに12日間自由摂取させ,これに運動負荷を併用した際の体重増加に及ぼす作用を検討しました。その結果,図3に示すように,テオブロミン分画(1%)摂取と運動を併用した群に,顕著な体重増加抑制がみられました。一方,ポリフェノール分画においても,中盤以降緩和な体重増加抑制作用がみられました。

図3. カカオエキス分画の運動負荷マウスの体重に及ぼす作用 (n=6)

【実験方法】

マウス(ddY,雄,5週齢)に,カカオエキス分画(1%)を混餌した飼料(MF, オリエンタル酵母)を12日間自由摂取させた。運動負荷は,回転ケージ(MK-770M,室町機械)を用いて,10分間の運動(5 rpm/分)を1日1回行った。

脂肪蓄積阻害作用

カカオエキスから調製したテオブロミン分画(テオブロミン32.0%, ポリフェノール12.1%),およびポリフェノール分画(テオブロミン5.3%, ポリフェノール53.6%)について,分化誘導後の3T3-L1脂肪細胞における脂肪蓄積におよぼす影響を検討しました。脂肪蓄積の指標には,細胞内のトリグリセリド含量およびグルコースがトリグリセリドに変換される際に働く律速酵素“グリセロール3-リン酸デヒドロゲナーゼ”(GPDH)活性を測定しました。その結果,テオブロミン分画を添加した細胞では,その形態にほとんど変化がみられませんでしたが,濃度依存的なトリグリセリドの蓄積抑制作用が認められました(表2,図4)。このことより、テオブロミン単独での評価も行ったところ,有意差は認められませんでしたが,濃度依存的なトリグリセリド蓄積抑制傾向がみられました。一方,ポリフェノール分画においては,トリグリセリド含量,GPDH活性ともに変化が認められませんでした。この結果より,カカオエキスの脂肪蓄積抑制成分は,テオブロミンであると考えられます。

Control テオブロミン分画(100 g/ mL)

図4. テオブロミン分画共存下における分化誘導後の3T3-L1細胞写真

表2. カカオエキス分画の3T3-L1脂肪細胞における脂肪蓄積および分化におよぼす作用

 

濃度

(μg/mL)
トリグリセリド(μg/well) GPDH活性(Unit/well)
Control 180±9 0.121±0.011
テオブロミン分画 1 160±9 0.100±0.023
  3 165±9 0.156±0.004
  10 157±9 0.125±0.012
  30 137±9 0.120±0.021
  100 125±9* 0.117±0.016
Controlテオブロミン単独


1
3
10

30

170±14
161±6
146±13
144±17

146±18
未評価
Control 116±9 0.118±0.009
ポリフェノール分画 1 136±9 0.121±0.025
3 147±9 0.092±0.034
  10 145±9 0.063±0.031
  30 139±9 0.152±0.013
  100 133±9 0.101±0.033

平均値±S.E., n=4, *: p<0.05

【方 法】

3T3-L1脂肪細胞(5×104 cells/mL)を24穴プレートに播種(500 μL)し,10%牛胎児血清を含むDMEM培地(高グルコース)で1日培養後,インスリン(1 μg/mL),デキサメタゾン(0.25 μM)およびイソブチルメチルキサンチン(0.5 mM)を含む培地に交換して分化を誘導した。2日後に,サンプルおよびインスリン(1 μg/ml)を含む培地に交換し,1日おきに培地交換をしながら,計6日間培養した。培養終了後,細胞中のトリグリセリド濃度およびGPDH活性をそれぞれトリグリセリドE-テストワコー(和光純薬)およびGPDH活性測定キット(プライマリーセル社)を用いて測定した。

脂肪燃焼促進作用

脂肪蓄積の実験に用いたものと同じカカオエキス分画について,分化誘導後のラット褐色脂肪細胞における脂肪蓄積と,脂肪燃焼の指標になるチトクロームCオキシダーゼ活性に及ぼす作用を検討しました。チトクロームCオキシダーゼは,ミトコンドリアの内膜に存在し,電子伝達系においてコエンザイムQ10とともに,エネルギー産生(糖代謝,脂肪燃焼)の最終段階,言い換えれば細胞の呼吸に働く酵素です(図5)。各種栄養素(糖,脂肪,タンパク質)は,最終的に水と二酸化炭素に変わって消費されるわけですが,チトクロームCオキシダーゼは,クエン酸回路で生じた電子を使って,いわば栄養素を水に変換させる(栄養素代謝の最終段階)酵素です。

実験の結果,次ページ図6に示すように,テオブロミン分画は,チトクロームCオキシダーゼ活性に影響を与えなかったのに対し,トリグリセリドの蓄積に対しては濃度依存的な抑制を示しました。テオブロミン単独処理においても同様の活性が認められました。一方,ポリフェノール分画は,トリグリセリド含量には変化を与えませんでしたが,チトクロームCオキシダーゼ活性を上昇させることが明らかになりました。この結果より,褐色脂肪細胞において,テオブロミンは脂肪蓄積抑制を,ポリフェノールは脂肪燃焼を促進させることが判明しました。

図5. 電子伝達系におけるチトクロームCオキシダーゼの働き

ミトコンドリアの内膜には,電子伝達系を司る3種の酵素(NADH-Qオキシダーゼ,チトクロームCレダクターゼおよびチトクロームCオキシダーゼ)が存在する。糖代謝のクエン酸回路や脂肪代謝のβ-酸化で生じた電子は,これら酵素の酸化還元を利用した受け渡しを経た後,最終的に酸素を消費して水を作り出す。言い換えれば,チトクロームCオキシダーゼは,クエン酸回路やβ-酸化で生じたエネルギーを使って呼吸をし,水と二酸化炭素としてエネルギーを消費している。

【方 法】

タカラバイオのラット褐色脂肪細胞培養キットを用いた。褐色脂肪細胞(19代目,4×104 cells/mL)を24穴プレートに播種(500 μL)し,4日間培養した90%コンフルエンスの後,分化を誘導し,2日後に,サンプルを含む維持培地に交換し,さらに6日間培養した。培養終了後,細胞中のトリグリセリド濃度およびチトクロームCオキシダーゼ活性(シグマ社キットを使用)を測定した。

図6. カカオエキス分画の褐色脂肪細胞におけるトリグリセリド蓄積およびチトクロームCオキシダーゼ活性に及ぼす作用
(平均値±S.E., n=4)

以上の結果をまとめると,カカオエキスは,弊社先行ダイエット素材である「生コーヒー豆エキス」が弱い作用しか示さなかった脂肪細胞への脂肪蓄積を,抑制する機能があることが分かりました。この作用には,テオブロミンの関与が高いものと考えられます。一方,カカオエキスのポリフェノール成分は,既存のダイエット素材がもたない脂肪燃焼促進機序を有し,他の脂肪燃焼促進素材と組み合わせることで,相乗的ダイエット機能が期待できます。(図7)

図7. カカオエキスと他のダイエット素材のミトコンドリアでの作用点

脂肪吸収抑制作用

これまでの結果から,カカオエキスには脂肪細胞に対する脂肪蓄積抑制効果がみられ,テオブロミンやポリフェノールの関与が考えられました。カカオエキス中にはカフェインも5%程度含まれており,すでに脂肪吸収抑制作用が確認されています。

そこで,マウスにオリーブ油を単回投与し,カカオエキスの脂肪吸収に及ぼす作用を調べた結果,カカオエキス(テオブロミン 13.8%,ポリフェノール 23%,カフェイン 5%)をオリーブ油投与前に経口投与することにより,コントロールと比較して血中トリグリセリドの上昇抑制作用が認められました(図8)。また,カフェインをカカオエキス中の含有量に応じて経口投与し,同様の評価を行ったところ,カフェインに強い血中トリグリセリド上昇抑制作用が認められました。これらの結果より,カフェインは、カカオエキスの脂肪吸収抑制作用の関与成分の一つであることが示唆されました。

図8. カカオエキスおよびカフェインのオリーブ油負荷マウスにおける血中トリグリセリド上昇に及ぼす作用(平均値±S.E., *:P<0.05)

【実験方法】

絶食(20時間)したマウス(ddy,雄,6週齢)から採血を行い,30分後にカカオエキスまたはカフェインの5w/v%アラビアガム懸濁液(10 mL/kg)を経口投与した。1時間後にオリーブ油(5 mL/kg)を経口投与し,その後2,4および6時間目において採血を行った。得られた血液より血清を分離し,血中のトリグリセリド濃度をトリグリセライドE-テストワコー(和光純薬)を用いて測定した。

健常人男性を対象とした継続摂取試験

カカオエキスのヒトにおけるダイエット機能を評価するため,弊社男性健常人を対象(16名,24~60才)として,カカオエキス(テオブロミン21.2%,ポリフェノール30.7%)100 mgを4週間自由摂取してもらい,摂取前後に肥満指標と血液成分の測定を行いました。

その結果,体重,体脂肪率,BMI,脂肪量,肥満度,ウエストおよびヒップサイズに,摂取前と比較して減少傾向がみられました。また,体重,肥満度についてはP<0.01,BMIについてはP<0.05と有意な減少がみられました。

一方,血液成分については,有意差は認められないものの,血糖値およびトリグリセリド(TG)が減少傾向にありました。

以上の結果より,カカオエキス4週間の摂取により,緩やかな肥満指標の改善が観察されました。この効果はカカオエキスの脂肪蓄積抑制作用および脂肪燃焼促進作用によるものと示唆されます。

表3. カカオエキス4週間摂取前後の検査値比較

  摂取前 摂取後
体重 (kg) 66.2±9.3 65.5±9.4 p<0.01
体脂肪率 (%) 20.0±5.1 19.8±5.4
BMI (kg/m2) 22.6±2.8 22.4±2.8 p<0.05
インピーダンス (Ω) 481±63 488±65
脂肪量 (kg) 13.6±5.1 13.3±5.1
肥満度 (%) 2.8±12.5 1.6±12.6 p<0.01
ウエスト (cm) 78.4±9.1 77.2±8.9
ヒップ (cm) 95.1±6.5 94.6±6.3

ウエスト/ヒップ比

0.82±0.06 0.81±0.05
腹部皮下脂肪厚 (mm) 13.7±5.0 15.9±6.5
クレアチニン (mg/dL) 0.82±0.11 0.80±0.10
血糖値 (mg/dL) 82.8±9.5 80.7±15.5
トリグリセリド (mg/dL) 161.8±132.2 140.0±112.8
リン脂質 (mg/dL) 227.1±33.5 224.9±26.2
総コレステロール (mg/dL) 202.3±21.0 206.3±21.6
レプチン (ng/mL) 3.16±1.7 3.39±2.2
HDL-Cho (mg/dL) 58.6±18.7 58.4±14.3

各値は16名の平均値と標準偏差で示した。

図9. カカオエキスの4週間摂取前後の肥満指標検査値比較

図9. カカオエキスの4週間摂取前後の肥満指標検査値比較

図10. カカオエキスの4週間摂取前後の血液検査値比較

抗酸化活性

ヒトの生体内では,ストレスなどの刺激により活性酸素が発生します。この活性酸素は酸化傷害を引き起こし,細胞等を損傷し,種々の生活習慣病や老化促進と密接に関係しています。

そこで,カカオエキスの抗酸化作用を,スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)様活性および1,1-ジフェニル2-ピクリルヒドラジル (DPPH) ラジカル消去能を指標に評価しました。

その結果,カカオエキスは図11に示す濃度において,濃度依存的にSOD様活性およびDPPHラジカル消去能を示しました。

               ①SOD様活性

               ②DPPHラジカル消去能

図11. カカオエキスの抗酸化活性