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桜の花エキス Product name

効果・効能 Positie Effect

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AGEs産生抑制作用

桜の花エキスとその成分のAGEs産生阻害作用を調べるため,代表的な糖であるグルコースと生体内タンパク質であるアルブミンの混液に,桜の花エキスやそのエキス中の主要成分を添加し,60℃で2日間インキュベートしました。3,4)
その結果,桜の花エキス100 μg/mL以上で有意なAGEs産生抑制作用が認められました。また含有成分であるカフェオイルグルコースとケルセチングルコシドについては,10 μg/mL以上で有意なAGEs産生抑制作用が認められました(表1,図1)。
桜の花エキス中に微量に含有され,カフェオイルグルコースの水酸基が少ない構造を持つ成分である,クマロイルグルコースおよびシンナモイルグルコースでは,カフェオイルグルコースと比較して,AGEs産生阻害活性が弱いことが分かりました。
これに対し,フラボノイド配糖体の活性は総じて強く,規格成分であるケルセチングルコシドの活性は,同じくフラボノイド配糖体である,ケンフェロールグルコシドの2倍以上(IC50で)の高い活性を示しました。またフラボノイドはケンフェロールおよびケルセチン共に,アグリコンでも高い活性を示しました。

表1. 桜の花エキスおよび含有成分のAGEs産生抑制

  AGEs産生抑制率(%) IC50
(μg/mL)
3(μg/mL) 10 30 100 300
桜の花エキス -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 >300
カフェオイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 >300
クマロイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 >300
シンナモイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 >300
ケンフェロールグルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 102
ケルセチングルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 30
ケンフェロールマロニルグルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 78
ケルセチンマロニルグルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 36
塩酸アミノグアニジン
(対照)
-14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 138
カフェ酸 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -
クマル酸 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 165
クマル酸 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 259
ケンフェロール -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 21
ケルセチン -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 32

* 塩酸アミノグアニジンは糖化抑制の医薬品です。
各値は3例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはサンプル未処理群とのDunnettの多重比較検定による有意差*: p < 0.05, **: p < 0.01を表す

AGEs産生抑制率(%) 桜の花エキス カフェオイルグルコース ケルセチングルコシド 濃度(ug/ml)

各値は3例の平均値と標準偏差で示した。アスタリスクはサンプル未処理群との有意差
**:p < 0.01を表す。

図1. 桜の花エキスおよびその含有成分のAGEs産生抑制作用

線維芽細胞内のAGEs生成におよぼす作用

桜の花エキスとその規格成分の細胞内AGEs生成におよぼす作用を調べました。ヒト正常二倍体線維芽細胞に糖化刺激作用のある中間糖化物(グリオキサール)とサンプルを添加し,5日間培養後に抗AGEs抗体でAGEsの検出を行いました。その結果,グリオキサールによるAGEsの増加に対し(ControlとNonの比較),桜の花エキスは10 μg/mLでAGEsの生成を強く抑制しました。カフェオイルグルコースも1および10 μg/mLでAGEsの生成を抑制しました。一方,ケルセチングルコシドもAGEsの生成を抑制しましたが,カフェオイルグルコースより弱い作用でした。以上の結果から,桜の花エキスとカフェオイルグルコースは,AGEs形成経路において酸化反応を介さないAGEs生成反応を抑制することが判明しました。また,桜の花エキスの細胞内AGEs生成抑制作用には,カフェオイルグルコースの寄与が高いことが判明しました。

ContorlよりAGEsのハンドが薄く、生成を抑制している。桜の花エキス カフェオイルグルコース バンドの色がControlとほぼ同じであることから、主要成分であるカフェオイルグルコースのほうがAGEs産生抑制作用が強い。ケルセチングルコシド

図2. 桜の花エキスとその成分の細胞内AGEs産生抑制

線維芽細胞のコラーゲン格子形成増加作用

線維芽細胞をコラーゲン溶液存在下で培養すると,コラーゲン格子の形成が認められます。また,この系に糖化刺激作用のある中間糖化物(グリオキサール)で糖化した線維芽細胞を添加するとコラーゲン格子の形成が抑制されます7)。しかしながら,グリオキサールと同時に,桜の花エキス (100, 1000 μg/mL)を線維芽細胞に添加すると,コラーゲン格子の形成促進が認められました。したがって,桜の花エキスは線維芽細胞の糖化を抑制し,真皮細胞外マトリックス中のコラーゲンと線維芽細胞の「絡みつき」を正常に保つ働きがあることが示唆されました(図3,4)。

白いもやが線維芽細胞の伸展突起とコラーゲン格子 Normal(中間糖化物無添加) Control(中間糖化物添加) 桜の花エキス100ug/ml(中間糖化物添加) 桜の花エキス1000ug/ml(中間糖化物添加)

図3. 24時間後の各ウェルの肉眼像

Normalと比較してControlは繊維芽細胞数が少ない。Normal写真全体に繊維芽細胞が確認できる Control数える程しか繊維芽細胞が確認できない。 桜の花エキスをControlに添加すると、繊維芽細胞が伸展突起(↓)を形成する  桜の花エキス100ug/ml 伸展突起の伸張が見られる。 桜の花エキス1000ug/ml伸展突起が細胞間を満たしている。

図4. 24時間後の各ウェルの鏡検像

線維芽細胞のアポトーシス抑制作用

皮膚内に生じたAGEsは,皮膚細胞に障害を与えます。皮膚の主要なAGEsの1つであるcarboxymethyl lysine (CML)-collagenによる線維芽細胞のアポトーシス(細胞死)に対する桜の花エキスおよび主要成分の作用を調べました。8) その結果,桜の花エキスやカフェオイルグルコース,ケルセチングルコシドの添加によって,アポトーシスの指標であるカスパーゼ活性が低下し,特にカフェオイルグルコースとケルセチングルコシドで強い活性の低下が認められました。したがって,桜の花エキスやその成分は,AGEsによる皮膚細胞の障害やアポトーシスを抑制し,肌の老化に有効であると考えられました(表2,図5)。

表2. 桜の花エキスおよび含有成分の線維芽細胞アポトーシスに及ぼす作用(カスパーゼアッセイ)

アポトーシス抑制率(%)
1(μg/mL) 3 10 100
桜の花エキス -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
カフェオイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
クマロイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
シンナモイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
ケンフェロールグルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
ケルセチングルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
ケンフェロールマロニルグルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
ケルセチンマロニルグルコシド -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
塩酸アミノグアニジン(対照) -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7

* 塩酸アミノグアニジンは糖化抑制の医薬品です。
各値は5例の平均値と標準誤差で示した。アスタリスクはCML-collageを添加したサンプル未処理群とのDunnettの多重比較検定による有意差*: p < 0.05, **: p < 0.01を表す。

線維芽細胞のアポトーシス抑制率(%) 桜の花エキス カフェオイルグルコース ケルセチングルコシド 濃度(ug/ml)

各値は5例の平均値と標準偏差で示した。アスタリスクはサンプル未処理群との有意差
**:p < 0.01,*:p < 0.05を表す。

図5. 桜の花エキスおよび含有成分の線維芽細胞アポトーシスに及ぼす作用

B16メラノーマ細胞によるメラニン生成抑制作用

桜の花エキスの美白作用を検討するため,B16メラノーマ細胞におけるメラニンの生成抑制作用を調査しました。
B16メラノーマ細胞に桜の花エキスを添加し,3日間培養後,細胞を超音波にて破砕し,吸光度によりB16メラノーマ細胞のメラニン生成率を測定しました。その結果,低濃度でメラニン生成を抑制し,濃度依存的にメラニン生成を抑制する傾向があることが明らかとなりました。
また,対照としてアルブチン(β型),アスコルビン酸グルコシドと比較したところ,アルブチンよりは若干抑制率は低いものの,アスコルビン酸グルコシド(ビタミンC)と同程度の抑制率であることが明らかになりました。

表3. B16メラノーマ細胞におけるメラニン生成抑制率

  0(μg/mL) 1 3 10
桜の花エキス -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
カフェオイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
クマロイルグルコース -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7 -14.6±0.7
* メラニン生成率(% of Control)
チロシナーゼ活性阻害作用

桜の花エキスのB16メラノーマ細胞におけるメラニン生成抑制作用のメカニズム解明の一環として,メラニン生成酵素チロシナーゼに対する作用について検討を行いました。
その結果,桜の花エキスは濃度依存的に,有意なチロシナーゼ活性阻害が認められました。 また,桜の花エキスは低濃度でチロシナーゼ活性阻害作用を示すことが明らかとなりました。

チロシナーゼ活性阻害率(%)濃度(ug/ml)

図6. 桜の花エキスのチロシナーゼ活性阻害(平均値 ± 標準誤差,n = 5,**: p< 0.01)

コラーゲン産生促進・マトリックス形成促進

ヒト正常二倍体線維芽細胞に対して,桜の花エキス(30, 100 g/mL)を添加し,3日間培養しました。
その後,細胞外に分泌され培養プレートに付着・蓄積したI型コラーゲンタンパクをウェスタンブロッティング法で検出しました。
一方,細胞内のI型コラーゲン発現については,ウェスタンブロッティング法でタンパクを,RT-PCR法でmRNAをそれぞれ調べました。その結果,図7上図に示すように,分泌I型コラーゲン量は桜の花エキス(30, 100 g/mL)処理により,増加しました(上段のバンドが濃くなっている)。
また,細胞内のI型コラーゲンも桜の花エキス(30, 100 g/mL)処理により増加しました(中段のバンドが10, 30 g/mLで濃くなっている。下段のGAPDHは比較対照タンパク)。この時,mRNAレベルでも発現量の増加が確認されました(図7下図)。
桜の花エキスの含有成分についても,RT-PCRでI型コラーゲンのmRNA発現に及ぼす作用を調べましたが,カフェオイルグルコースやケルセチングルコシドには,発現促進がみられなかったことから,ポリフェノール以外の水溶性成分がコラーゲン増加に関与しているものと考えられます。

桜の花エキス I型コラーゲンmRNA発想

図7. 桜の花エキスの線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進作用
上:コラーゲンタンパク,下:mRNA(平均値 ± 標準誤差,n = 4)

皮膚の真皮内では,線維芽細胞と分泌されたコラーゲンなどの細胞外基質が,マトリックスを形成しています。そこで,桜の花エキスの線維芽細胞とコラーゲンとのマトリックス形成に及ぼす作用を調べました。線維芽細胞にコラーゲンを添加して培養すると,リング状でゲル質のマトリックスが形成されました(図8)。一方,桜の花エキスと培養した線維芽細胞に,コラーゲンを添加したところ,マトリックスの凝集が認められました。この現象は,桜の花エキスの主成分「カフェオイルグルコース」を線維芽細胞に作用させたときに,より顕著に見られました。
弊社ではすでに,桜の花エキスの糖化された線維芽細胞とコラーゲンによるマトリックスの形成回復作用を報告していますが,この実験結果より,正常な線維芽細胞においてもコラーゲンとのマトリックス形成を促進させることが判明しました。
桜の花エキスはコラーゲンとの相性が非常に良い素材であると考えられます。皮膚の真皮ケアに,コラーゲンなどとの併用をお勧めします。

桜の花エキスとその主成分「カフェオイルグルコース」

図8. 桜の花エキスとその主成分「カフェオイルグルコース」の線維芽細胞とコラーゲンによるマトリックス形成促進

抗炎症作用

炎症反応は,①マクロファージ,T-cell,多形核白血球などの炎症性細胞と血管内皮細胞から,一酸化窒素(NO)とスーパーオキサイドが産生される過程と,②NOとスーパーオキサイドが反応して強い細胞傷害活性を持つパーオキシナイトライトが生成する過程を経て起こることが知られています。炎症性細胞のうち抗原提示細胞として中心的な役割を果たすのがマクロファージですので,マクロファージのNO産生量は炎症反応の重要な指標と考えられます。そこで,マクロファージ様RAW264.7細胞を用い,LPS刺激によるNO産生に及ぼす桜の花エキスの作用をグリース法によって確認しました。
その結果,桜の花エキスは,10~100 g/mLの濃度において,NO産生を抑制しました。また,桜の花エキスに特に多く含まれ,規格成分でもあるカフェオイルグルコースは,1~100 g/mLの濃度において,NO産生を抑制しました(図9)。
以上より,桜の花エキス及び主成分であるカフェオイルグルコースは,LPSによるマクロファージの活性化を抑制してNO産生を抑制することで,抗炎症作用を示すと考えられました。

桜の花エキス濃度 カフェオイルグルコース濃度

図9. 桜の花エキス及びカフェオイルグルコースのNO産生抑制作用

### :Cont.と比べて,p<0.001
** :LPS群と比べて,p<0.01
*** :LPS群と比べて,p<0.001
Indo :Indomethacin (8.9 g/mLn = 5-6

臨床試験

桜の花エキスについてプラセボ対照二重盲検試験によるヒト臨床試験を行い,桜の花エキスの肌状態改善作用を検証しました。
具体的には,化粧のノリや肌のたるみ,肌の乾燥が気になる,または肌の老化を有する,ないしは実感する30代~50代の日本人女性20名を被験者とし,10名ずつを桜の花エキス群及びプラセボ群に割り付けました。桜の花エキス群の被験者には桜の花エキス150 mg/日を,プラセボ群の被験者にはデキストリン150 mg/日を,8週間継続して毎朝食後に摂取していただきました。
その結果,桜の花エキス150 mg/日を8週間摂取することで,①AGEs量の低下と②皮膚粘弾性の低下抑制,③シミと赤い部分の減少,④毛穴の増加抑制,⑤湿度低下に伴う肌乾燥の抑制,⑥肌のすべすべ感の改善などが認められました。
最終糖化産物であるAGEsは,肌の重要な構成分子であるコラーゲンを変成させ,コラーゲンの機能を低下させると考えられています。桜の花エキスは,皮膚AGEs量の低下を介してコラーゲン変性を防ぐことでコラーゲン組織の機能を維持し,肌粘弾性や肌の乾燥,すべすべ感など肌状態を総合的に改善すると考えられました。

①AGEs量

蛍光分光方式AGEリーダーを用いて,AGEs量を測定しました。AGEリーダーは心臓疾患や糖尿疾患,腎臓疾患などの研究への応用が期待されており,非侵襲的に生体内AGEs量を測定できる点で画期的な測定装置です。
AGEs量は,桜の花エキス摂取群において8週間で約7 %低下し,有意な低下が認められました。一方,プラセボ群では約3 %低下しましたが,有意な変化は認められませんでした(図10)。
生体内AGEs量は,20歳から80歳にかけて1.5から2.5に増加し,45歳で中間値の2.0となることが報告されています。そこで,桜の花エキス摂取群において,初期AGEs量が2以上と2未満で層別解析を行いました。その結果,初期AGEs量が2以上の層ではAGEs量が約8 %低下し,有意な低下が認められました。一方,初期AGEs量が2未満の層では有意な変化はありませんでした(図11)。
したがって,桜の花エキスはヒトにおいてAGEs低下作用を有し,その作用はAGEs量が高い方に発揮されると考えられました。

 AGEs量の変化

図10. AGEs量の変化 (** : p < 0.01)

 AGEs量の変化(層別)

図11. AGEs量の変化(層別)(** : p < 0.01)

②皮膚粘弾性(R0)

プラセボ群では,試験終了後に皮膚粘弾性が約13 %低下し,有意な低下が認められました。一方,桜の花エキス摂取群では,皮膚粘弾性が約6 %低下したものの有意な変化は認められませんでした(図12)。
したがって,桜の花エキスには,季節変動によるものと思われる皮膚粘弾性の低下を抑制する作用があると考えられました。

皮膚粘弾性の変化

図12. 皮膚粘弾性の変化 (** : p < 0.01)

③シミと赤い部分(VISIA Evolutionによる顔面画像解析)
VISIA Evolutionを用いて顔面画像解析を行い,「シミ」と「赤い部分」の変化を測定しました。その結果,桜の花エキス摂取群では,シミが約7 %,赤い部分が約15 %低下し,有意な低下が認められました。一方,プラセボ群では有意な変化はありませんでした(図13,14)。
in vitro実験において,桜の花エキスにはチロシナーゼ活性抑制やメラニン生成抑制など美白作用があることが確認されています。桜の花エキスは生体内においてもこれらの作用を発揮し,シミと赤い部分を減少させる可能性が示唆されました。

 シミの変化  赤い部分の変化

図14. 赤い部分の変化 (* : p < 0.05)

④毛穴(VISIA Evolutionによる顔面画像解析)
VISIA Evolutionを用いて顔面画像解析を行い,「毛穴」の変化を測定しました。その結果,桜の花エキス摂取群では毛穴に有意な変化は認められませんでしたが,プラセボ群では毛穴が約20 %増加し,有意な増加が認められました。(図15)。
したがって,桜の花エキスは,季節変動によるものと思われる毛穴の増加を抑える可能性が示唆されました。

 毛穴の変化 (** : p < 0.01)

図15. 毛穴の変化 (** : p < 0.01)

⑤皮膚水分量
皮膚水分量は,桜の花エキス摂取群及びプラセボ群の両群で有意な低下が認められました(図16)。しかしながら,低下率は桜の花エキス摂取群で約13 %,プラセボ群で約16 %であり,プラセボ群の方がより大きく低下しました。
試験が実施された2010年10月中旬から12月中旬は,湿度が急激に低下し,1年の中でも湿度が低い時期にあたります(図17)。桜の花エキス摂取群及びプラセボ群の両群で皮膚水分量が有意に低下したのは,湿度変化の影響を受けたからと考えられますが,桜の花エキス摂取群の低下率はプラセボ群の低下率より小さかったため,桜の花エキスには保湿作用があると考えられました。

皮膚水分量の変化

図16. 皮膚水分量の変化 (** : p < 0.01)

湿度の変動(東京,2010年)

図17. 湿度の変動(東京,2010年)

⑥肌のすべすべ感
桜の花エキス摂取群及びプラセボ群の両群で,肌のすべすべ感のスコアが有意に上昇しました。上昇率は,桜の花エキス群で約200 %,プラセボ群で約186 %であり,桜の花エキス群の方がより大きく上昇しました。
したがって,桜の花エキスには肌のすべすべ感を改善する作用があると考えられました。

肌のすべすべ感の変化

図18. 肌のすべすべ感の変化 (** : p < 0.01)

⑦考察
ヒトの肌ではコラーゲンが重要な役割を担っています。コラーゲンはヒト真皮において格子状の組織を形成し,肌の水分などの維持に重要な役割を担っていることが知られています。最終糖化産物であるAGEsの蓄積により,皮膚においてはコラーゲンの変性や線維芽細胞のアポトーシスなどが起こり,コラーゲンの機能が低下すると考えられています。
これまでの桜の花エキスに関する in vitro実験から,桜の花エキスはAGEs産生抑制作用やコラーゲン格子形成促進作用,線維芽細胞アポトーシス抑制作用などを有することが明らかとなっています。
今回のヒト臨床試験では,桜の花エキスの経口摂取により,生体内においてもAGEs量の低下や肌状態の改善などが認められました。桜の花エキスは,AGEs量の低下を介してコラーゲン変性を防ぐことでコラーゲン組織の機能を維持し,肌粘弾性や肌の乾燥,すべすべ感など肌状態を総合的に改善する作用があると考えられました。