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ユズ種子エキス Product name

効果・効能 Positie Effect

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最近の研究

米国の「デザイナーフーズ計画」には,がん予防に効果が期待される食品の一つとして,カンキツの記載があります。米国がん研究所はがんとカンキツ摂取の関係が逆相関を示し,カンキツががん予防に効力のある食品と結論づけています。疫学的研究から,がん予防に有効とされているカンキツ含有発がん抑制成分は,d-リモネン,リモノイド類,ヘスペリジンであると考えられています1) 。ユズは国産のカンキツですが,これらの成分を全て含みます2) 。リモノイドは,ミカン科とセンダン科にのみ存在するトリテルペン誘導体の総称であり,現在36種類のリモノイドアグリコンとグルコース配糖体が単離されています3) 。苦味成分でリモノイドの一つであるリモニンは果汁に比べて種子に約1800倍多く(当社測定値),苦味のないリモノイド配糖体は果汁に多く含まれます。マウスやハムスターを用いた実験でリモノイド化合物のノミリンとオバキュノンが,解毒酵素であるグルタチオン-S-トランスフェラーゼの活性を誘導し,化学物質による腫瘍の形成を抑制することが明らかにされています。また,リモニンとオバキュノンがラットの大腸がんを抑制することなどが報告されています4)

リモニン

ノミリン

リモネン

ヘスペリジン

図1. ユズ種子中成分の構造式

1) 矢野昌充.カンキツによるがん予防,日本食品科学工学会誌,49,139-144,(2002).
2) 橋永文男,ザレブハーマン,長谷川信.ユズ種子中のリモノイド,日本食品工業学会誌,37,380-382,(1990).
3) 長谷川信,伊福靖.カンキツリモノイドの生化学,日本食品工業学会誌,41,372-380,(1990).
4) Tanaka T., Maeda M., Kohno H., Murakami M., Kagami S., Miyake M., Wada K. Inhibition of azoxymethane-induced colon carcinogenesis in male F344 rats by the citrus limonoids obacunone and limonin. Carcinogenesis., 22, 193-198, (2000).

メラニン産生メカニズム

しみの本体は,皮膚にあるメラニン色素の沈着です。しみの要因にはホルモンバランスの変化や肌荒れ,紫外線,老化等が挙げられますが,いずれも紫外線が関係しています。紫外線を浴びると,紫外線を受けた表皮細胞からメラニンを製造する工場であるメラノサイトに向けて,情報伝達物質 (エンドリセンやホスホリパーゼ) が送られます。これを受けて,チロシナーゼという酵素がメラニンを生成します。すなわち,チロシンというアミノ酸がチロシナーゼ酵素の作用でドーパとなり,続いてドーパキノンとなります。ドーパキノンからさらに酸化反応が進行しメラニンとなります。表皮のSCF (幹細胞増殖因子) もシミの形成に大きな役割を果たすことが解明されています。皮膚に紫外線が当たると,初期にはSCFが,後期にはエンドセリンがそれぞれ色素細胞を活性化させ,メラニン生成を促進します。この一連の反応は,有害な紫外線を肌の内部まで侵入させないように,肌をメラニン色素で黒くする体の自然な防御反応によるものです。ただし,肌の組織は通常28日周期で生まれ変わっているため,この新陳代謝がスムーズに行われると,このメラニン色素も何ヶ月かで古い細胞と共に外へ排出されてしまいます。しかし,年齢を重ねると,皮膚の新陳代謝が低下するため,このメラニン色素が外に排出されることなく,皮膚に沈着しやすくなります。

図2. メラニン生成メカニズム

美白作用(in vitro)

ユズ種子エキスの美白作用を評価するために,B16メラノーマ細胞を用いた細胞培養試験を行いました。ユズ種子エキスは濃度依存的にメラニン生成抑制作用を示し,美白作用を有することが判明しました (図3A) 。ユズ種子エキスのメラニン生成抑制作用は,美白作用を有することで知られる純品のβ-アルブチン(図3B) には若干劣るものの,純品のビタミンC (図3C) よりも強いものでした。


図3. B16メラノーマ細胞におけるメラニン生成に及ぼす作用(平均値±S.E., n=4)

【実験方法】

B16細胞を2 mMテオフィリン含有MEM培地(10%FCS,ペニシリン/ストレプトマイシン含有)にサスペンド(5×104cells/mL)し,24穴プレートに500 μLずつ播種した。サンプル溶液(55μL)を添加して3日間培養後,培地を除去し,PBS(300μL)を加えて,細胞を超音波破砕した。破砕液を96穴プレートに回収し,吸光度(測定波長:415 nm,参照波長:700nm)を測定した。

線維芽細胞増殖作用(in vitro)

ユズ種子エキスの線維芽細胞に及ぼす作用を,ヒト新生児線維芽細胞であるNB1RGBを用いて検討しました。その結果,図4に示すように,ユズ種子エキスは線維芽細胞の増殖を促進し,皮膚細胞の増殖を促進することが示唆されました。

図4. ユズ種子エキスのNB1RGB線維芽細胞増殖に及ぼす作用(平均値±S.E., n=6)

【実験方法】

NB1RGB細胞をα-MEM培地(10%ウシ胎児血清,100 units/mLペニシリン,100μg/mLストレプトマイシン含有)にサスペンド(2×105 cells/mL)し,96穴プレートに100μLずつ播種した。各種濃度に調製したユズ種子エキス溶液(10μL)を添加して2日間培養後,細胞の増殖度を,MTTアッセイを用いて評価した。

皮膚ターンオーバー促進作用

ヒトの擬似皮膚細胞を用いてユズ種子エキスの表皮への作用を検討しました。図5に培養後の細胞標本の顕微鏡写真を示しました。各層は,それぞれ,下部層がコラーゲンと線維芽細胞からなる真皮層,中央の紫色の層が表皮層,上部の桃色の層が角質層です。

コントロールと比べ,ユズ種子エキス添加群の表皮層及び真皮層が厚みを増す傾向がみられました。これは,サンプルを添加することにより,表皮細胞(基底層)の生成が促進されたことを示唆するものです。真皮層についてはサンプル濃度依存的に層の肥厚が認められました。これは,真皮成分であるコラーゲンの産生増加あるいは線維芽細胞の増殖に由来するものではないかと考えらます。

これらの結果から,ユズ種子エキスは,表皮細胞(基底細胞)の生成促進及び真皮成分及び線維芽細胞の生成を促進する作用を有することが示唆されました。

図5. 擬似皮膚細胞三次元培養像

【実験方法】

ヒト皮膚再構築モデル(TESTSKIN:東洋紡績㈱製)を用いてユズ種子エキスの作用を測定した。サンプルはDMSOに溶解して,最終濃度が,10及び100μg/mLの濃度になるように真皮層側に添加した。培地は3日ごとに交換し,計6日間培養を行った。組織断面標本は10%ホルマリンに浸漬した後,定法に従って作製した。

ヒト三次元培養表皮モデルにおける美肌作用

ヒト三次元培養表皮モデルを用いてユズ種子エキスの皮膚構成成分の分解酵素遺伝子に対する作用を評価しました。その結果,ユズ種子エキスはヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼ2,3(HYAL2,HYAL3),セラミドを分解するセラミダーゼ(Ceramidase),スフィンゴミエリンシンターゼ(SM Synthase)およびコラーゲンを分解するマトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)に対する遺伝子発現抑制作用が認められました(図6)。

A:ヒアルロン酸分解酵素遺伝子

B:セラミド分解酵素遺伝子

C:コラーゲン分解酵素遺伝子

図6. ユズ種子エキスの皮膚構成成分の分解酵素に対する遺伝子発現抑制作用n=4,平均値±SE, *:P<0.05, **:P<0.01。

以上の結果から,ユズ種子エキスは,皮膚構成成分の分解酵素遺伝子発現を抑制することにより,皮膚の構成成分を保護し,皮膚のバリアー機能や保湿性や弾力性などを維持することができると考えられます。

【実験方法】

ヒト三次元培養表皮モデル(J-TEC製)を用いてユズ種子エキスの作用を評価した。最終濃度が1μg/mLの濃度になるように真皮層側に添加した。培地は2日ごとに交換し,7日間培養を行った。常法に従ってmRNA,cDNAを合成し,RT-PCRにより各遺伝子発現に及ぼす作用を評価した。

美肌作用(ヒト試験)

健康な女性8人を対象としたオープントライアルテストを行い,ユズ種子エキスのヒトにおける美肌効果を検証しました。

被験者は23~41歳の女性で,ユズ種子エキス(80mg)含有カプセルを1日1回,4週間服用させました。摂取試験前後における肌(左目下)の水分量を,水分測定機を用いて測定しました。

その結果,図7に示すように,肌水分量が摂取前の62%から摂取後の66%に上昇することが明らかになりました。被験者の中には,図8の肌写真にあるように,肌質が改善された結果キメが細かく整ったケースが見受けられました。

次に,被験者の主観的な使用感を調査するために,4週間摂取後にアンケート調査を実施しました。表1に示すように,被験者の多くが,肌質全般の改善を実感していることが分かりました。特に「乾燥度合い」をはじめ,保湿に関連する項目の改善度が高いと実感している傾向が見られます。一方で,「悪化した」と回答した被験者は,全ての項目においていませんでした。

以上のように,ユズ種子エキスには,肌の保湿効果を高め,美肌作用があることが確認されました。

図7. 肌水分量の推移

図8. 肌 (頬部) の拡大写真
被験者:女性24歳

表1. 肌質アンケート集計結果

  評価
改善 変化なし 悪化
化粧かぶれ 3名 5名 0名
顔の乾燥 4名 4名 0名
顔の紅潮 2名 6名 0名
化粧のり 4名 4名 0名
肌の滑らかさ 3名 5名 0名
しっとり感 4名 4名 0名
肌のはり 2名 6名 0名
乾燥度合い 6名 2名 0名
痒み 2名 6名 0名
肌荒れ 4名 4名 0名
シワの改善 2名 6名 0名
くすみ 2名 6名 0名
抗ストレス作用(ヒト試験)

① α波増強作用

ユズには伝承的にリラックス作用があるといわれています。そこで,実際にユズ種子エキスを摂取したときに,リラックス効果があるかどうかを,脳波(α波) を測定することで,評価を試みました。また同時に,精神的ストレスの指標としての唾液中クロモグラニンA量の測定も行いました。

被験者を,環境制御室(27℃,55%RH)で1時間馴化させた後,オブラートで包んだユズ種子エキス200mgを水100mL(コントロールは水のみ)で摂取させました。その20分後にストレス負荷(暗算をさせる)を5分間行い,負荷後50分まで安静状態での脳波を測定しました。その結果,被験者T.S.においてはコントロール(ユズ種子エキス非摂取時)では,負荷後10分から50分の間,ほとんどα波が出現していないのに比べて,ユズ種子エキス摂取時では,負荷後0分から50分の間,α波が強く後頭部から前頭葉にかけて出現していることが示されました。被験者M.A.においても,ユズ種子エキス摂取時では,負荷後30分から50分の間,顕著なα波の出現が観察されました。α波はリラックスの指標であることから,ユズ種子エキス摂取時には,両被験者とも,ストレスが緩和されたためにα波が出現あるいは増大したものと考えられます。以上の結果から,ユズ種子エキスは,抗ストレスあるいはリラックス作用を有することが強く示唆されました。

被験者:M.A.

図9. 脳波トポグラフィ

② 唾液中クロモグラニンA分泌抑制作用

クロモグラニンAは精神的ストレスの指標として用いられ,ストレス負荷により唾液中のクロモグラニンA分泌量が増加することが知られています。今回の試験では,暗算ストレス負荷を5分間行った結果,被験者T.S.においては,負荷後0分から50分にかけて,クロモグラニンA分泌量が増加しましたが,ユズ種子エキス摂取時には,負荷後50分までほとんどクロモグラニンAの分泌が認められませんでした (図10) 。また,被験者M.A.では,負荷後20分から50分まで,急激にクロモグラニンAの分泌量が増加しましたが,ユズ種子エキス摂取時には負荷後50分までクロモグラニンAの分泌量はわずかでした。以上の結果から,ユズ種子エキスはストレス負荷に対する防御効果を有することが示唆されました。

図10. 唾液中クロモグラニンA量の推移 (左:被験者T.S.,右:被験者M.A.)

血流改善作用(ヒト試験)

ユズ種子エキスの血流改善効果を評価するために,サーモグラフィを用いた単回投与試験を行いました。

朝食後2~3時間経過した被験者に,水100mLを摂取させ,恒温室(温度:25℃,湿度:50%) に入室させて馴化を行いました。1時間後,手足を14℃の冷水に1分間,浸漬させ,浸漬直後からサーモグラフィを用いて皮膚表面温度を30分間測定しました。測定終了後,被験者には昼食を摂取させ,その約2時間後にオブラートで包んだユズ種子エキス200mgと水100mLを摂取させました。再び被験者を恒温室に入室させ,同様の方法で皮膚表面温度を測定しました。

図11にユズ種子エキス摂取時(右)および非摂取時(左)のサーモグラフ画像を示しました。ユズ種子エキス摂取時における右側被験者の手指の皮膚温回復速度は,ユズ種子エキス非摂取時に比べて顕著であることが分かります。以上の結果から,ユズ種子エキスは血流改善効果を有することが示唆されました。

図11. 低温負荷後のサーモグラフ画像

メタボリックシンドローム対応機能

(長崎シーボルト大学 田中一成教授との共同研究)

近年注目を集めるようになったメタボリックシンドロームとは,主に内臓脂肪の蓄積によって,体全体の代謝異常をきたす病態です。食生活が欧米型に近づき,日本人はより多くの脂肪とコレステロールを摂取するようになりました。これらを過剰に摂取すると,血液がドロドロになり,血管が老化して動脈硬化が進行し,さらには肝臓に脂肪がたまって脂肪肝を生じる恐れがあります。また,内臓脂肪の蓄積によって血圧や血糖値が上昇し,生活習慣病の発病リスクを2倍にも4倍にも高めます。

ラットに高脂肪・高コレステロール食を摂取させ,生体脂質関連パラメータに与える作用を評価しました。その結果,ユズ種子エキス摂取群では,食餌量が増加したにもかかわらず,体重および脂肪重量が減少することが明らかになりました (図12,13,表2)。

また,血液成分を測定したところ,ユズ種子エキス摂取群は,コントロール群と比べて,総コレステロール値が少なくなる傾向にありました。一方で「善玉コレステロール」のHDL(高密度リポタンパク) コレステロール値が有意に上昇し,血清コレステロールの質が改善されていることが分かりました(図14,表3)。さらに,中性脂肪であるトリグリセリドは血清および肝臓において有意に抑制されました(図15,表3,4)。

図14. ラット血清中におけるHDLコレステロール値の
比較平均値±S.E. (n=6)

図15. ラット血清中における中性脂肪量の
比較平均値±S.E. (n=6)

次に,代謝関連酵素活性について測定したところ,ユズ種子エキス摂取群では,コントロール群と比べて,脂肪酸合成酵素である脂肪酸シンターゼの活性が有意に抑えられる一方で,代謝系で働く酵素群,特にリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(解糖系)やカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(脂肪酸のβ-酸化系)が活性化していることがわかりました(図16,表5)。このことより,ユズ種子エキスを摂取することによって,脂肪の合成が抑制されると同時に,効率よく代謝されていることから,脂肪肝・内臓脂肪の蓄積を予防し,メタボリックシンドロームのリスクを軽減できることが示唆されます。

図16. ラットにおける代謝関連酵素活性の比較 平均値±S.E. (n=6)

【実験方法】
ユズ種子エキス5%,コレステロール0.5%およびコール酸ナトリウム0.125%を含むAIN-93組成の飼料を,SD系雄ラット(各群6匹)に4週間自由摂食させた。

表2. 動物の成長パラメータ

  コントロール群 ユズ種子エキス摂取群
試験前体重(g) 143±2 142±2
試験後体重(g) 386±10 355±7*
体重増加量(g) 244±9 213±7*
摂食量(g) 22.7±0.5 25.6±1.0*
食餌効率 0.40±0.01 0.31±0.02*
肝重量(g) 24.5±1.0 23.8±0.4
(100g体重あたり・g) 6.33±0.13 6.71±0.16
総脂肪重量(g) 12.65±1.31 8.27±0.55*
(100g体重あたり・g) 3.23±0.26 2.37±0.16*
うち腎臓脂肪重量(g) 7.32±0.83 5.11±0.40
(100g体重あたり・g) 1.87±0.18 1.47±0.12
うち副腎脂肪重量(g) 5.33±0.53 3.16±0.25*
(100g体重あたり・g) 1.36±0.10 0.90±0.07*

平均値±S.E. (n=6),* p< 0.05.

表3. 血清脂質および関連酵素レベル

  コントロール群 ユズ種子エキス摂取群
総コレステロール(mg/dL) 168±14 152±15
HDLコレステロール(mg/dL) 25.8±2.5 34.4±1.0*
HDL/Total コレステロール(%) 15.9±2.1 23.9±2.5*
トリグリセリド(mg/dL) 180±32 87.0±2.3*
リン脂質(mg/dL) 184±13 155±4*
リポキシゲナーゼ(nmol/mL) 15.6±1.0 11.2±0.7*
スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)(%) 16.5±0.9 15.4±0.6

平均値±S.E. (n=6),* p<0.05

表4. 肝脂肪レベル(mg/g)

  コントロール群 ユズ種子エキス摂取群
コレステロール 75.6±6.7 73.4±1.5
トリグリセリド 75.6±6.7 50.4±5.1*
リン脂質 27.7±0.5 36.1±1.3*

平均値±S.E. (n=6),* p < 0.05.

表5. 代謝関連酵素活性(nmol/min/mg protein)

  コントロール群 ユズ種子エキス摂取群
脂肪酸シンターゼ 4.88±0.84 2.14±0.90*
グルコース-6-リン酸
デヒドロゲナーゼ
17.2±2.2 18.5±1.3
リンゴ酸デヒドロゲナーゼ 19.3±0.84 29.7±0.93*
PAP 4.46±0.19 5.13±0.18
カルニチンパルミトイル
トランスフェラーゼ (CPT)
4.12±0.37 6.68±0.62*

平均値±S.E.(n=6), * p < 0.05.